辺野古サンゴ訴訟、初回弁論で結審 福岡高裁那覇支部 判決期日は「追って指定」

新基地建設の現場=名護市辺野古

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴うサンゴ類移植に向けた沖縄防衛局の特別採捕許可申請を巡り、農林水産相が県に許可するよう是正指示したのは「違法な国の関与」として、県が取り消しを求める訴訟の第1回口頭弁論が14日、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)であり、即日結審した。判決期日について三浦裁判長は「追って指定する」とした。

 軟弱地盤が広がる大浦湾に生息するサンゴ類に関する訴訟で、新基地建設のサンゴ移植を巡る訴訟では2件目。

 県側は、地盤改良に伴う設計変更申請が承認されていないことを根拠に、防衛局は埋め立て工事ができる法的地位にない段階で移植の必要性はないと主張。国側は、県の不許可を違法不当だとして農相が取り消した裁決に県は拘束されるとし、移植を許可しないのは違法と訴え、請求棄却を求めた。

 防衛局は2022年7月、小型サンゴ類約8万4千群体とショウガサンゴ8群体、大型サンゴ類21群体について、特別採捕許可を申請した。県は不許可としたが、防衛局の審査請求を受けた農相が同年9月、裁決で不許可処分を取り消し、今年3月に許可するよう是正指示した。県は国地方係争処理委員会に審査を申し出たが、退けられ、8月に提訴した。

 地盤改良に伴う設計変更申請を巡っては、県が国交相裁決の取り消しを求める抗告訴訟の判決が15日に那覇地裁で言い渡される。また、国が知事に代わって承認する代執行に向けた訴訟が10月末に高裁那覇支部で結審しており、近く判決期日が指定される見込み。

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