“禁断の移籍”を果たしたイスコ、古巣セビージャ戦で非人道的チャントの被害者に。「イスコくたばれ」

写真:今季完全復活を印象付けるプレーをみせるイスコ ©Getty Images

セビージャダービー、ラ・リーガの中でも最も熱いダービーマッチの1つとされ、2022年コパデルレイ4回戦ではレアル・ベティスサポーターが投げ込んだ棒状のプラスチックがセビージャのジョアン・ジョルダンの頭部に直撃し試合は中断、後日延期となるなど、トラブルが起こることも珍しくない。

イスコ・アラルコンはレアル・マドリードを2022年6月に契約満了で退団すると、同年夏に恩師ジュレン・ロペテギが監督を務めていたセビージャへの加入を果たした。しかし、当時スポーツディレクターを務めていたモンチ氏との関係悪化から12月に追いやられる形でセビージャを退団した。以降約7ヶ月に渡り無所属の状態が続いたイスコはセビージャの最大のライバルであるレアル・ベティスへの加入を果たす。

すると今夏に加入したレアル・ベティスでは開幕直後から好調をキープし、ラ・リーガ12節終了時点で8試合でマンオブザマッチに輝き完全復活を印象付けている。11月12日に行われたラ・リーガEA Sports第13節のセビージャダービーはセビージャのホームサンチェス・ピスフアンで開催され、レアル・ベティスのイスコにとっては昨シーズンプレーしたチームと初の古巣戦となった。

試合開始前からセビージャサポーターが“禁断の移籍”をしたイスコをどのような形で迎えるのかに注目が集まった。すると、試合前のウォーミングアップ時には最も熱狂的なサポーターが集まるゴール裏北スタンドの一部からイスコに対し、「イスコくたばれ」という恥すべきチャントが歌われた。

ラ・リーガではレアル・マドリードFWヴィニシウス・ジュニオールに対し、バルセロナサポーターから同様のチャントが歌われることもあり、ラ・リーガが抱える問題は人種差別的行為の撲滅だけではなく、非人道的チャントの撲滅も求められる。
 

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