新幹線全線フル規格で 国交省などに要望 長崎、佐賀の沿線市長ら

長崎ルートの全線フル規格整備を村田局長(右)に要望する5市長=国交省

 九州新幹線長崎ルート整備を巡り、長崎、佐賀両県の沿線5市(長崎、諫早、大村、嬉野、武雄)の市長、市議会議長が15日、国土交通省などに全線フル規格での整備を要望した。5市そろっての要望はコロナ禍で4年ぶり。
 5市長らは国交省で水嶋智審議官と村田茂樹鉄道局長に面会し、要望書を手渡した。要望書では、武雄温泉駅ホームでの対面乗り換えが長期化しかねないと危機感を表明。未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の着工に向け、早急に環境影響評価(アセスメント)に着手することなどを求めた。
 終了後、5市長は記者団の取材に応じ、鈴木史朗長崎市長によると同省側は「5市と連携し、各県としっかり対話しながら取り組んでいきたい」と答えた。
 一方、佐賀県の山口祥義知事が佐賀空港と連携する「南回りルート」を評価しているとされることなどについて、園田裕史大村市長は「本県側には長崎空港もあり、佐賀県内だけでなく、九州一円の高速交通網を連結させるという議論に発展することを期待する」と指摘。小松政・武雄市長は「未着工区間について議論が少しずつ動き始めたのは喜ばしい。国や与党PT、県などの協議が加速することを期待したい」と話した。

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