ヤマハ RMX VD/M ドライバーを筒康博が試打「ヤマハ挑戦の集大成」

“ちょい上”高初速エリア設計 ご意見番クラブフィッター評価は!?

ヤマハの新「RMX」シリーズは、「Bull's-eye Face(ブルズアイ フェース)」と呼ばれるフェースセンターの少し上で最も初速が出るように設計された新開発フェースを採用。飛距離性能の高さが発売前から話題となり、新たなファンを獲得している模様だ。そんな今秋の注目作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が高初速+操作性の高さが特徴の「RMX VD/M ドライバー」の試打評価を行った。

「アノ『inpresX』も踏襲? 過去の挑戦を集結させた1W」

直進性が高く ミスヒットしても曲がり幅が少ない模様

―率直な印象は?
「非常にフィーリングが良かったです。打点がフェースのヒール側や下めに外れても、感覚とボールの飛び姿が一致する。打音も高すぎず低すぎず適度で、打感は硬くもやわらかすぎることもなく、最適な球持ち感が得られます。すぐにでもコースに持っていきたいくらいの秀逸なフィーリング。ミスに対する寛容性も高く、ボール初速もかなり出ていて(平均62.2m/s)、うまく当てればもっと飛ばせる期待が湧く。性能自体のポテンシャルがとても高い気がしました」

「VD/X」よりは若干小ぶりだが 適度につかまる雰囲気が伝わるフォルム

―見た目の感想は?
「やさしさも感じる大きさと形状ですが、ある程度ヘッドの高さ(上下の厚み)が感じられ、強弾道が打てるイメージも湧きます。クラウンの膨らみの頂点が真ん中よりややトウ側にあり、ボールを自然とつかまえられる雰囲気。実際に打点がトウ寄りに当たった場合でも、芯で打てたときと同じ感触が残ります」

左から「VD/R」「VD/M」「VD/X」。ウエート調整機能がそれぞれ異なる

―兄弟モデル「VD/R」「VD/X」と比べると?
「ここ数年間の同社『RMX』シリーズは、投影面積が大きく重心距離が深くて長い、いわゆる高慣性モーメントタイプが主軸でしたが、この『VD/M』『VD/R』は真逆です。10~15年前の『inpres(インプレス)X』シリーズに代表される過去作の要素を反映したような、現代版にアレンジしたようなドライバー。直近の高慣性モーメント派は『X』、アスリート系は『M』『R』と、同ブランド内でこれだけカラーの異なるモデルを入れたシリーズは、最近では希少ではないかと思うほど。試打を行うなら『M』から始め、より操作性と弾道の強さが欲しければ『R』、寛容性と直進性が欲しければ『X』という風に選んでください」

ウエートを前方「LOW」にシフトすると低弾道、後方「HIGH」にシフトすると高弾道に

―直近の「VD」シリーズとはどこが違う?
「厳しい言い方をすると、直近の『VD』シリーズはチャレンジングな面が強く、やや紆余曲折したような印象で、正直、違和感を覚えるユーザーも少なくなかったのではないでしょうか。今作は、そんな過去の挑戦やテクノロジーを集結し、集大成として構成した3モデルに仕上がっています。どんなプレーヤーでも、確実に3機種から選べる。中でも『VD/M』は、すごくニュートラルなルックスで、直進性も操作性も高い“ど真ん中”的モデルなので、誰でも試す価値アリだと思います」

打点のバラつきによる飛距離ロスを抑えるべくフェースの肉厚分布を刷新

―他社でいうと類似モデルは?
「テーラーメイド『ステルス2 ドライバー』『ステルス2 プラス ドライバー』、キャロウェイの『パラダイム ドライバー』『パラダイム ◆◆◆ ドライバー』といった海外勢になると思います。ただ、カーボンフェースでも、カーボンボディを前面に打ち出したヘッドでもなく、どちらかと言えばチタン要素が強いので、ダンロップ『スリクソン ZX』シリーズもライバルに入るでしょう。どちらも国内発のグローバルブランドNo.1を目指せるモデルといえるのではないでしょうか」

「今秋または年末商戦で 中心的商品になり得るモデルでは」と筒

―どのような人向き?
「HS40m/s以上で、飛距離は250yd以上を飛ばしたいゴルファー向き。飛距離もスコアも今より上を目指している向上心の強い人のほうが、マッチする要素を多く備えています。年齢は関係ありませんが、50代の私でも十分使いこなせたので(総距離:平均249.3yd)モチベーションが高ければゴルファーのタイプは全く問いません。特に同社の過去モデルを使ったことがない人や、一度試したけれど合わなかった人こそ、一旦イメージをゼロに戻して試打してほしいです」

西川に続きハイスコア! 5点満点と4.5のみ【総合評価4.7点】

【飛距離】5.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI Pro Blue 1K 50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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