子どものゲーム・ネット依存 脳に影響も?保護者は葛藤…親子のルールづくりが重要に【長野】

子どものゲーム依存が社会的に問題になっています。
体に与える影響やゲームを手放せない子どもとどう向き合えばいいのか、医師に話を聞きました。

ゲーム機やスマートフォンが生まれた時から身近に。
ゲームに依存する子どもが増えています。

■県立こども病院 神経小児科 稲葉雄二医師
Q例えば脳への影響はありますか?
「前頭葉の機能がうまく育ちにくくなるというようなデータはある。
目の動きなんかも同じ場所だけを見ているので、
キャッチボールとかで色んなところをキョロキョロするのとはやはり少し変わってくる。
目の細かい動きや手先の器用な動きに影響してくるというのは我々も強く感じている」

実際、親に話を聞いてみると葛藤があるようです。

■20代(6歳の親)
「放っておいたらいたらずっとやっている。取り上げたら泣き叫ぶし言うことを聞かない」
■30代(7歳と14歳の親)
「一日1時間だけとは決めている。「勉強もしっかりやってほしいなとは思うので」
■30代(5歳と8歳の親)
「タブレットとかも自分たちのものを持っているので、結構やっている」

WHOは2019年、ゲームのやりすぎで日常生活に支障をきたす状態を「ゲーム障害」として認定しました。
認定基準は3つです。
・ゲームをする時間や頻度を自分で制御できない
・日常生活の活動よりもゲームを優先する
・問題が起きていてもゲームを続ける

こうした状態が1年以上続くと「ゲーム障害」と診断されます。

■県立こども病院 神経小児科 稲葉雄二医師
「外来に来る小学生以下のお子さんには一日30分以下にしようね、
寝る前のゲームはやめようねと言っている。
周りのご家族の方に気をつけてもらいたいのは、
そういうルールを決めるにも本人の自主性や自尊感情を配慮しながら決めていくのが大事ということ」

親だけでルールを決めて制限するのは、
ゲーム依存の背景にある自主性を奪うことにつながるといいます。
一方で親にとっても制限しきれない理由が。

■30代(5歳と8歳の親)
「大人しくしてくれるから親にとっても都合が良いというか、
やらせちゃうところはある」
■30代(3歳の親)
「料理したい時とか集中していてもらいたい時はyoutube見せたり.
ゲームするようになったらそういうのも使わせるようにはしちゃうかな」

就寝の2時間前までに終わらせることや、
およそ8時間の睡眠、十分な運動を心掛ければ
ゲームをすること自体は悪くないと稲葉医師は考えます。

■県立こども病院 神経小児科 稲葉雄二医師
「ゲーム全てを排除するということではなくて今の時代は上手に付き合うことが大事」

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