ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬、那覇公演で歌の力示す 沖縄出身の被災者に喜ばれた「安里屋ユンタ」 「満月の夕」の続編も 

 ロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン」の中川敬(たかし)が9日、那覇市のライブハウスOutputで4年ぶりの沖縄ソロライブを開いた。沖縄ゆかりの曲をふんだんに取り入れ、アコースティックギター1本で23曲を聴かせた。

 生前親交があった登川誠仁、大城美佐子とのエピソードを交えながら「国頭ジントーヨー」「十九の春」を歌った。阪神大震災の避難所を回って演奏した経験から生まれたバンドの代表曲「満月の夕(ゆうべ)」、在日コリアンや沖縄出身の被災者らに喜ばれた「アリラン」「安里屋ユンタ」の3曲は、歌が人々を支えた日々を浮かび上がらせた。

 ソロのニューアルバム「夜汽車を貫通するメロディヤ」からは「満月の夕」の続編に当たる「生きる」や、鉄血勤皇隊を思わせる「栄光は少年を知らない」を演奏した。力強くも温かい歌声と「NO WAR」「NO HATE」のメッセージが会場を包んだ。

(編集委員・阿部岳)

力強い歌声を聴かせる中川敬=9日、那覇市・ライブハウスOutput

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