球宴選出2度のザック・ブリットンが現役引退を表明 今季は無所属

2011年から2022年までメジャーで12年間プレーし、今季は無所属のまま1年を過ごした35歳の左腕ザック・ブリットンが現役引退を表明した。ブリットンは今月、米メディア「ジ・アスレチック」の取材に対して「僕の直感が、反対側の人生がどんなものかを見るときだと告げているんだ」と語り、引退を示唆していた。メジャー通算442試合に登板して35勝26敗154セーブ、61ホールド、防御率3.13を記録。全盛期には球界最高のクローザーとして活躍し、オールスター・ゲームにも2度選出された。

ブリットンは2018年途中からヤンキースへ移籍し、セットアッパーとして活躍。メジャーのマウンドに立ったのはヤンキースに在籍していた2022年が最後である。しかし、やはりオリオールズの絶対的守護神として大活躍した印象が強い。

2006年ドラフト3巡目でオリオールズに入団し、メジャーデビューした2011年にいきなり11勝をマーク。ところが、先発投手としては大成に至らず、2014年のシーズンが始まる前にリリーフに転向した。これが大成功を収め、超一流のリリーバーへと成長。ブリットンは自身のキャリアを振り返り、「最も誇らしく思うのは、運命を左右することになったあのオフシーズンに上手く対処できたこと」とリリーフ転向をターニングポイントに挙げた。

2014年は71試合で37セーブ、防御率1.65、翌2015年も64試合で36セーブ、防御率1.92と大活躍。そして、キャリアハイのシーズンとなった2016年は69試合に登板して47セーブ(失敗0)、防御率0.54という驚異的なパフォーマンスを見せた。防御率0.54は50イニング以上を投げた投手による歴代シーズン最高記録である。また、2015年10月から2017年8月にかけて、ア・リーグ記録となる60セーブ機会連続成功もマークした。

2016年のブリットンは全投球の91.7%を高速シンカーが占めていた。通算652セーブのマリアーノ・リベラのカッターのように、打者たちはシンカーが来るとわかっていても打てなかったのだ。ゴロ率は80.2%に達し、被長打率も.201という素晴らしい数字。サイ・ヤング賞投票ではリック・ポーセロ、ジャスティン・バーランダー、コリー・クルーバーに次ぐ4位という高評価を受けた(1位票も5票獲得)。

ヤンキース移籍後は「ピンストライプのユニフォームの重みを感じた」というブリットン。「完璧なキャリアではなかったかもしれないけれど、思っていたよりも長くプレーすることができた。運にも恵まれた。12年もプレーできる選手はなかなかいないからね。2つのことを同時にできる人間ではなかったから、これからは家族のために尽くしたい」と自身のキャリアにピリオドを打った。

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