第35回フジテレビヤングシナリオ大賞が阿部凌大の「高額当選しちゃいました」に決定

「第35回フジテレビヤングシナリオ大賞」の受賞者が決まり、応募総数1679作品の中から、新潟県長岡市出身の24歳・阿部凌大氏による「高額当選しちゃいました」が大賞に選ばれた。このほど、記者会見が開催。大賞受賞の阿部氏と佳作の受賞者3人が出席した。

坂元裕二氏、野島伸司氏、橋部敦子氏、浅野妙子氏、野木亜紀子氏ら、多くの人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」は、1987年に創設。テレビドラマで活躍する若手脚本家を募集・育成するためのシナリオ公募で、ドラマ・映画制作の現場に携わるフジテレビ関係者メンバーで厳正に審査される。また、受賞作品は、特典としてフジテレビでドラマ化される。第33回大賞受賞者である生方美久氏は、2022年10月期の連続ドラマ「silent」に続き、現在放送されている連続ドラマ「いちばんすきな花」(木曜午後10:00)の脚本を手掛けており、話題となっている。

大賞受賞作品「高額当選しちゃいました」は、宝くじの当選にまつわる物語だ。児童養護施設育ちで、現在は同じシェアハウスに住んでいる幼なじみの4人が、毎年共同購入をしていた年末宝くじが1等当選する。しかし翌日、その当たりくじがなくなる。犯人探しをするうちに、さまざまな真実が明らかになり、4人は本音をぶつけ合うことに。発想の面白さと、二転三転しながら、いい意味で予想を裏切っていく展開、そして、ギミックをしっかり作り込んで面白いストーリーを作ろうとする気概と姿勢が高く評価された。

3年間応募してきてようやく大賞に選ばれ、賞金300万円を獲得した阿部氏は「人生でMAX緊張しています」と声を震わせ、「歴史と権威のある賞をいただくことができて光栄ですし、まだ実感が湧いていないくらいうれしくて感謝しています」とあいさつ。

さらに、「(選ばれた理由は)『高額当選しちゃいました』だけではなく、僕らの未来とか将来性までに審査員の方がベッドしていただいて、期待していただいてるのではないかと勝手に思っているので、その期待に応えられるようにもっと努力して、必死に続けて少しでも大きく育てば、それがいつか『フジテレビヤングシナリオ大賞』への恩返しになるのではないかと思っております」と、恐縮しながらも力強くアピールした。

今後、挑戦したい作品を聞かれると「小学生の頃は、テレビドラマに込められた深い意味まで分からずに見ていましたが、何も知らない小さい自分が見ても面白いなと思っていました。まず、第一に面白いものを作るというのが大前提としてあります。そこに人の心を動かすものや、そのために必要なものを描けるようになることを目指して、構成がうまくなるように必死にやっていけたらいいかなと思っています」と、しっかりと前を見据えた。

そのほか、片岡陸氏の「イージーライフ」、島崎杜香子氏の「クロスロード」、内山哲生氏の「わたしたちの失恋」が佳作に選ばれ、それぞれが賞金50万円を獲得した。

「高額当選しちゃいました」はフジテレビで映像化され、2024年に地上波放送およびFODでの配信を予定している。なお、「第36回フジテレビヤングシナリオ大賞」は、12月中旬頃から募集を開始。締め切りは2024年2月29日で、同年の冬頃に発表される。募集要項・規約などの詳細は、募集開始時に公式サイトで掲載される。

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