北の軍事偵察衛星 朝鮮中央通信「成功」報じる

 朝鮮中央通信は北朝鮮が21日午後10時42分28秒に打ち上げた「軍事偵察衛星」(マリンギョンー1号)を新型衛星キャリア・ロケット「チョンリマー1型」に搭載して「成功裏に打ち上げた」と打ち上げに成功したと22日、報じた。

 北朝鮮は今年5月31日、8月24日にそれぞれ打ち上げに挑戦したが、いずれも失敗。「軍事偵察衛星」の打ち上げは3回目の挑戦だった。

 朝鮮中央通信は「偵察衛星の打ち上げは、自衛権の強化に関する朝鮮民主主義人民共和国の合法的権利であり、敵の危険極まりない軍事的蠢動(しゅんどう)によって国と周辺地域に生じた安全環境に合致するように共和国武力の戦争準備態勢を確固と向上させるのに大きく寄与することになるであろう」と報じている。また朝鮮労働党総書記の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「現地で偵察衛星の打ち上げを参観した」と報じた。

 さらに「国家航空宇宙技術総局は今後、早い期間内に数機の偵察衛星を追加発射して、南朝鮮地域と共和国武力の作戦上の関心地域に対する偵察能力を引き続き確保する計画を党中央委員会第8期第9回総会に提出することになる」と短期に軍事偵察衛星の打ち上げを行う旨を伝えている。

松野博一官房長官は22日、「我が国としては北朝鮮に対し、改めて関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行するとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動をとるよう強く求める」との官房長官声明を発表。

また「ロシアと北朝鮮の間の軍事協力の動きを含めた北朝鮮の今後の動向に関する情報収集・分析に徹底を期すとともに国民への情報提供を適時・的確に行う。国家安全保障戦略等に基づき、反撃能力を含む防衛力の抜本的強化のための各種施策を着実に実施。抑止力・対処力を強化していく」としている。(編集担当:森高龍二)

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