訓練中の安全管理 責任の所在は 那須雪崩事故刑事裁判

那須町で登山講習中だった大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が、雪崩に巻き込まれ死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった男性教諭3人の刑事裁判が22日、宇都宮地方裁判所で開かれ被告人質問で教諭は訓練中の安全管理に対する責任の所在などについて述べました。

この事故は2017年3月27日、那須町で登山講習中だった大田原高校山岳部の男子生徒7人と顧問の男性教諭1人の合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡したものです。業務上過失致死傷の罪に問われているのは講習会の責任者や生徒の引率などにあたっていた猪瀬修一被告(57)と菅又久雄被告(55)渡辺浩典被告(60)の3人です。

裁判では訓練を始める前に雪崩を予見できたかなどが争われています。22日は前回に続いて被告人質問が行われ、講習会の会長で、事故の発生時は本部にいた猪瀬被告が検察官や弁護士などからの質問に答えました。弁護士から訓練中の会長としての役割を問われると、猪瀬被告は「後方支援と事務処理をする立場だった」などと話し、安全に関する判断は生徒と訓練に同行している教諭の役割だと主張しました。

また、22日は被害者参加制度を利用して遺族による被告への質問も行われ、雪崩に巻き込まれて亡くなった生徒の母親が、8人が亡くなった先頭の班を引率していた菅又被告に直接、質問をしました。母親が「弔問の際に『すみません』と言ったのは何に対しての謝罪なのか」と尋ねると、被告は「多くの人が亡くなる事故が起こってしまったことに対して」などと述べました。

次回の公判は12月19日に行われる予定です。

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