「卵を食べろ!」無病息災の儀式 栃木市

幸福を家の中に招く「お酉(とり)様」として地元の人に親しまれている栃木市の神社では23日、卵を使ったユニークな儀式が行われました。

栃木市都賀町にある鷲宮神社の伝統行事「酉の市」に合わせて行われた「強卵式」。

鷲宮神社には鎌倉幕府の2代将軍・源頼家が百日ぜきをわずらったとき、母親の北条政子が鶏肉と卵を食べるのをやめて神社に祈願したところ、病気が治ったという言い伝えがあります。

このことから神社では「境内で鶏肉・卵を食すべからず」という決まりが残っています。この逸話を多くの人に知ってもらい無病息災を願おうと始まったのがこの「強卵式」です。

式ではてんぐが頂戴人と呼ばれる地域の住民らに身を清めるためだと日本酒を飲ませた後、山のように盛られた卵を残さず食べるように責め立てます。頂戴人たちは、鳥をまつる神社であることを理由に食べるのを拒みます。卵を神に供えることを聞いたてんぐは満足してその場をあとにしました。

その後、儀式で使った卵は境内で割らないことを条件に、参拝客たちへ配られました。

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