ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された“おおぐま座”の不規則銀河「NGC 2814」

こちらは「おおぐま座(大熊座)」の方向約8500万光年先の不規則銀河「NGC 2814」です。不規則銀河は星々が集まった明るい中心部や渦巻腕(渦状腕)、回転対称の円盤部といった明確な構造を持たないとされています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された不規則銀河「NGC 2814」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】

NGC 2814では2020年6月に、大質量星が起こすタイプの「II型超新星」とみられる超新星「SN 2020mmz」が見つかっています。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 2814の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として実施されたということです。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2023年11月20日付で公開されています。

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文/sorae編集部

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