たまゆら6周年~第80回~

たまゆら6周年~第80回~

12 Photos

里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか? そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。 東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」 ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。 今回は6周年を迎えたたまゆらのお話しです。

11月19日にたまゆらは6周年を迎えました。
ここまで続けてこられたのも皆さまのお力添えがあったからこそと、心よりお礼申し上げます。

現在たまゆらでずっとのお家を探している子は15ニャン。
一番の古株はアッシュ。次の1月で丸5年になります。
4年前に糖尿病を発症してしまい朝夕のインスリンが欠かせなくなりました。
そのほかにも心臓病や腎臓、肝臓も患っているため体調管理がなかなか大変な猫さんです。
もう新しい家族が見つかるのは難しいかと思いますが、あえて譲渡対象外にはしていません。
最近、往診専門の獣医さんにマッサージとリハビリもお願いして少し体調が持ち直してきました。

次にベテランなのがショウくんとトリオくん。
ふたりともなぜか全く理由もわからず在籍期間が長くなり、たまゆらに来て3年半になってしまいました。
ショウくんは半年くらい前からお口が痛くてペースト状のごはんしか食べられなくなり、それに加えて毎日のサプリと定期的な通院が必要です。
トリオくんはちょっと警戒心強めのタイプですが、遊ぶの大好きで元気いっぱいの猫さん。
猫が好きで人にはそれほど甘えないタイプなので、猫さんとベタベタするよりも同じ空間を共有するくらいの距離感が心地よいという方だと、お互い快適に暮らせるのではないかと思います。

たまゆらに来てもうすぐ2年になるギザくんとヒナツルちゃん。
たまゆらのシニア組です。
どちらも穏やかな甘えっこさんで、特にギザくんは人のお膝に乗って寝てしまうおじいちゃん。
ヒナツルちゃんはそばに寄り添って撫でてほしがるけど、お膝には乗りません。
撫でてほしい箇所の希望もはっきりしていて、撫でられたいところと撫でられたくないところを触った時の意思表示が分かりやすいのが可愛いです。

こちらも何故か在籍が1年を超えちゃっている猫さんたちです。
キジトラのユウタくん。
たまゆらに来たときはまだ1歳にならない無邪気でやんちゃで、おもちゃなんて振らなくてももってるだけで食いついてくるような猫さんでした。
あっという間にお声がかかるんだろうなと思っていたら不思議とご縁のないまま1年半が経ち、今ではすっかり大人の猫さんです。
人に甘えないタイプで撫でられても全然喜ばないのですが、一度自宅に連れて帰った際はスリスリゴロゴロだったので、たまゆらでは自分を抑えて暮らしているのかもしれません。

預かりボランティアさんのお家にいたときは全く触れなかったというヨリイチくん。
たまゆらに来て、おっとり穏やかな猫さんになりました。
不用意に近づくと逃げてしまいますが、リラックスしているときにそっと顔周りを撫でるととても喜んでくれます。
見かけによらず遊びが大好きで大はしゃぎしたり、食いしん坊で私に気づかれないようひっそりと他の子のごはんを食べたり、意外性があって面白い猫さんです。

むぎわら仲良しコンビのスヤコちゃんとカナタちゃん。
スヤコちゃんは皆ニャのお母さん的存在で、とっても面倒見の良い猫さんです。
皆のお世話ばかりでストレスになってないか心配になってしまうくらい。
他の子が遊んでいたら遠慮してしまうところがあり、たまゆらにいてくれると本当に助かるけど早く自分だけのお家でのんびりしてほしい気持ちもあります。

カナタちゃんは逆に妹気質で、さらに自立心旺盛なタイプ。
走り回って遊ぶのが好きなので、広めのお家に行けたらいいなと思っています。
爪切りが大の苦手ですぐに察して逃げちゃう頭の良い子です。

たまゆらで一番大きな猫さんのケントくん。
こちらも最初は触れない猫さんでした。
正義感が強くて猫同士でケンカがあると止めに入るケント。でもどっちが先に手を出した猫か分からず、とりあえず近くにいた方に鉄拳制裁を加えるおちゃめな面もあります。(被害者が更に被害者になる現場を何度も目撃しました笑)
保護当時は武闘派と保護主さんに言わしめるほどの荒くれものだったようですが、今ではすっかり落ち着きのある猫さんになりました。
ごはんの時だけは別猫のように豹変し、殴りかかってくるので要注意です!

先がクルクルのカギ尻尾がトレードマークのムイチロウくん。
最近ではだいぶ撫でさせてくれるようになりましたが、まだまだ逃げちゃうことも多いです。
猫に対しては友好的でいろんな子にスリスリしていますが、猫好きではない子からは怒られていることも…。
それでもやりかえしたりはせず、ただショボンとしてしまういじらしいムイチロウくん。
そのスリスリを人間にしてくれたら皆とっても喜ぶのになぁ。
お気に入りのおもちゃを出すと、寝ていてもいそいそとやってくる遊び好きでもあります。

今回は、前回ご紹介した新ニャン以外のベテラン勢を紹介させていただきました。
営業中はちょうど猫たちのお休みタイムに被っていることも多く、寝ている猫たちの姿しか見たことない方もいらっしゃるかもしれません。
ショウくんに至っては奥に引きこもって寝てしまうことがほとんどなので、何回もいらしている方に「初めて見た。新しい子ですか?」と言われてしまうことも。

個性豊かで魅力的な面々ですので、気になる猫さんがいるという方はぜひスタッフにお声がけください。
普段の様子や好きなこと嫌いなことなど、ご質問があれば詳しくお話しさせていただきます。

今年もまた御蔵島から新しい猫さんたちがやってくる時季が近づいてきました。
一匹でも多くの子を島から連れ出すためにも、今いる子たちに新しいお家を見つけなくてはなりません。
御蔵島在住の野猫がゼロになる日を目指して引き続きご縁を繋ぐお手伝いをしてまいりますので、7年目のたまゆらもどうぞよろしくお願いいたします。

文・今場奈々子(たまゆら店長)

保護猫カフェたまゆら

営業時間
※ホームページにてご確認ください

平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~17時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜

東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639

The post たまゆら6周年~第80回~ first appeared on Moment日刊ゲンダイ.

© 株式会社日刊現代