女性狩猟団体のジビエ施設休業 打ち合わせに南足柄市議も同席 業者は「信用した」

定例会見でジビエ施設の休業について「非常に残念だ」と話す加藤市長=24日、南足柄市役所

 国の交付金を投じて女性狩猟団体「ジャパン・ハンター・ガールズ」(神奈川県南足柄市)が開設したジビエ加工処理施設が半年で休業状態になった問題で、団体と市、工事業者との開設準備の打ち合わせに当事者ではない男性市議も同席していたことが24日、分かった。その後、団体から工事費の支払いが滞り、責任者とも連絡がつかない状態となっていることに業者は「市議が同席して事業を応援していると感じ、信用した。公金も使われており、市議も責任を取るべきだ」と批判している。   

 団体は「足柄森林公園丸太の森」(同市広町)内にある市の施設を改修し、4月にジビエ施設として開設した。改修工事費約1400万円には、国の交付金約620万円と寄付金約250万円が充てられる予定だったが、実際に支払われたのは約660万円で、200万円以上の公金と寄付金が消えた形となっている。

 関係者によると、昨年12月に開設に向けて市と団体、業者の担当者が市役所で打ち合わせをした。その席に市議も団体の関係者として同席したが同席理由は明かされず、席上で市議もほとんど発言しなかったという。

 市担当者は「工事期限が迫っており、行政や業者との調整役で来たと思った。経験上、こうした打ち合わせに議員がいたのは初めて」と振り返る。業者は「事業を後押ししている議員や市も関わっているから安心」と今年3月に代金未払いのまま、交付金申請に必要と要請された領収書を発行した。

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