「この瞬間を楽しむことが大事」、緑の守護神マテウスが「プロキャリアで一番大事な一戦」に臨む

東京VでチームMVP級の輝きを放った守護神マテウス[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディのブラジル人GKマテウスが、2023J1昇格プレーオフ準決勝に向けて意気込みを語った。

今シーズンの明治安田生命J2リーグを2位のジュビロ磐田と同じ勝ち点75で終えたものの、得失点差で涙を呑んで3位フィニッシュとなった東京V。これにより、2018シーズン以来の参戦となるプレーオフで、16年ぶりのJ1昇格という悲願達成を目指す。

その初戦となる26日の準決勝では今季レギュラーシーズンで1勝1敗の戦績に終わった6位のジェフユナイテッド千葉との対戦が決定した。

東京V加入4年目となった今季は昨季途中に就任して以降、全幅の信頼を寄せる城福浩監督の下、チーム唯一のレギュラーシーズン全試合フル出場を達成し、リーグ最少失点(31失点)の立役者となったマテウス。

驚異的なシュートストップや安定したハイボール処理に加え、今季はディストリビューションにもより一層磨きをかけて攻撃の起点としても機能。チームMVP級の輝きを放った。

その頼れる緑の守護神は、レギュラーシーズンの充実ぶりを実感しながらも、その活躍を評価に繋げるためにプレーオフを勝ち抜いてJ1昇格を決めたいと語る。

「レギュラーシーズンだけを見れば、チームとしても個人としても本当に素晴らしいシーズン。全試合出場という自分の目標も達成できました。チームとしても城福さんがシーズン前からディフェンスの部分を言ってきたなかで、最少失点で終われたことは本当に素晴らしいことだったと思います。あとはここからのジェフ戦にまずは勝つことが大事」

「J1に昇格しなければ、自分がこの42試合に出たことを覚えている人は間違いなくそこまでいないと思います。なによりチームの目標を達成することで、成し遂げてきた42試合というものを記憶にとどめてもらえることに繋がります」

千葉との前回対戦では同胞FWドゥドゥに2つのゴールを許した一方、3失点目を防ぐPKストップで劇的3-2の逆転勝利に貢献したブラジル人GK。ただ、今回の再戦は異なる展開になることを予想。

「プレーオフという部分もありますし、間違いなく違うチームという考えでいいと思います。前回対戦のジェフとは違う戦い方になると思いますし、同じように進まないとは考えています」

また、リーグ上位のアドバンテージを得て臨む試合だが、自身を含めて“普段通りの戦い”で臨む重要性を説く。

「一番危ないのは、引き分けで勝ち抜けられるという自分たちのアドバンテージを考えすぎること。そこは全選手、全スタッフがそこを考えずにいつも通りに戦うことが大事。1点取れればアドバンテージがより優位に働くので、そういったメンタルで自分たちは試合の入りからやっていかないといけないと思います」

過去にブラジル屈指の名門コリンチャンスに在籍し、ブラジル代表招集歴もある30歳GKだが、今回のプレーオフを「プロキャリアで一番大事な一戦」と捉えている。そして、3万人超えも予想される大一番を一人のプロフットボーラーとして楽しみつつ、勝利を誓った。

「U-20のコパ・サンパウロの大会はブラジルで本当に有名な大会で、その決勝戦は大きなプレッシャーがありました。あとはコリンチャンスでのデビュー戦もすごく大きな試合で自分自身プレッシャーもありました。ただ、間違いなく今回のジェフ戦が自分のプロキャリアで一番大事な一戦になると思います」

「ここに来て4年目ですが、こういう瞬間を待ち望んでやってきましたし、しっかりと楽しむことが大事。もちろん勝つ負けるかは重要ですが、自分たちがこの瞬間をクラブとしてもここまで来れているという部分で、全体としてこの瞬間を楽しむことが大事」

「今年のシーズン序盤から徐々にファン・サポーターが増えてきていることは選手自身感じています。それは結果に伴ったことだと思います。もちろん、今回のジェフ戦でたくさんのお客さんが入ることは聞いていますが、自分たちはお客さんが入るからという部分で特に変わることはないです。シーズンを通してやってきたことをグラウンドで出すだけだと考えています。なので、サポーターに向けてこれまで自分たちが42試合やってきたことをしっかりとできれば、結果は自ずと付いてくると思います」

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