羽生結弦は「命かけて滑ってますからね」周囲を本気にさせる“違和感”へのこだわり

<記事提供:COCONUTS>

11月26日放送の「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系)では、音楽家・武部聡志さんを特集が放送。

地上波放送の出演は珍しい武部さんが、音楽監督を担当した羽生結弦さんの単独東京ドーム公演の裏側を明かし注目を集めました。

(画像:時事)

■羽生結弦、東京ドーム公演に「スピーカーのレイアウトまでこだわる」

プロスケーターの羽生さんは今年2月に「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT” at Tokyo Dome」を開催。

同公演では、音楽は東京フィルハーモニー交響楽団と武部さん率いるスペシャルバンドが演奏。また、武部さんはその音楽監督も務めました。

「もう何度Zoom会議っていうかリモート会議を重ねたかわかんないですけど、本当に彼はスピーカーのレイアウトまでこだわるような。こうしたらお客さんが聴きやすいんじゃないかとか、スピーカーが邪魔で見えなかったらお客さんに申し訳ないとか、そういう所まで細やかに考える人でしたから」と羽生さんとは綿密な打ち合わせを重ねたことを明かします。

■スケーターしか分からない「違和感」羽生結弦が感じた武部聡志のすごさとは?

番組では羽生さんにインタビューを実施。

武部さんについて聞くと、羽生さんは開口一番「そもそも音楽の作り方が上手いって正直思いました」とコメント。

続けて、羽生さんは「僕達フィギュアスケーター目線・羽生結弦目線から言わせていただくと、どうしても原曲のリズム感であったりとか、そもそも自分が(練習で)スケートを滑っている時はライブ音源ではなくてデータ音源でずっと滑り切っているので、そこのデータ音源からライブ音源になった時の違和感はフィギュアスケーターは感じてはいるんです」と、生演奏になった時の違和感について言及します。

羽生さんは「そこの違和感っていうのがテンポ感とか生音の楽器の音の違いだったりだとか。アレンジもされつつ、生音でありつつ、原曲を何十回、何百回と聴いている人間にとっても全然違和感がない所がすごかったなって思ってます」と生演奏でも違和感なく音楽を聴かせる武部さんを絶賛。

また、羽生さんは「東京フィルハーモニーさんが入っていただいて、その時に僕自身は『もっとこうして欲しい、ああして欲しい』っていうのが現場に行って初めて聴いたのもあって、色々出てきて。僕はあんまり直接言うことができなくて、どうしようかって色々悩んでた時に、武部さんって言う存在があったからこそ、音楽的な知識も含めて、武部さんを通して言うことができましたし」と東京フィルハーモニーとの間に入ってくれた武部さんに助けられたのだとか。

続けて、羽生さんは「音楽監督としての武部さんの能力があったからこそ、東京フィルハーモニー・武部さんのスペシャルバンドも含めて、全然違った要素ではあるけれども、全体として1つの公演のために構成された音楽編成っていうものを感じることができたのが武部さんのすごいところかなって思いました」と異なるジャンルの音楽を1つにまとめる武部さんの手腕を称えました。

■武部聡志、羽生結弦は「命かけて滑ってますからね」

VTR終了後、武部さんは「羽生さんは音楽的な知識も持ってらっしゃるから、フォル2個って譜面に書いてあるけど、『フォルテ5つで弾いてください』とか(のような愚弟的な要求があった)」と、羽生さんの音楽へのこだわりに驚くことがあったよう。

また、武部さんは「向こうは命かけて滑ってますからね。何とか彼が滑りやすいようにこっちも…。でも、データじゃなくて生演奏で、人が感動できる音で届けたいという思いもありますから。そこのせめぎ合いですよね」と羽生さんのリクエストに応えられるよう苦心したことを明かしたのでした。

今回の放送にはネット上で「関ジャムは永久保存版だな羽生さんのインタ長めだったし武部マエストロの偉大さが再確認できた」「大変良い番組だった。羽生くん目当てで見てたけど、武部さんすごいお人だわ」「羽生結弦さんが選んで出演した番組は満足感が大きいなぁ。今回も素晴らしい番組ありがとうございました」などのコメントが上がっています。

羽生さんの武部さんは本番でデータ音源から生演奏に変わる時の違和感をほとんど無くしてくれたという話は音楽のプロならではのエピソードですね。

【番組情報】
関ジャム 完全燃SHOW
https://tver.jp/episodes/ep3acyrjeh

(文:かんだがわのぞみ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)

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