【2023年シーズン日本人選手名場面②】適応力の高さを証明した吉田の日本人初記録

オリックスバファローズでの日本一に加えて、ワールド・ベースボール・クラシックでは侍ジャパンの世界一に貢献した日本の主砲・吉田正尚。その実績を引っ提げて挑んだメジャー1年目は、一時、手元で動く速球に手こずるも、持ち前の高い適応力で打撃を修正。日本人初となる1イニング2本塁打を放つなど、その適応力の高さを証明した。

ワールド・ベースボール・クラシック準決勝のメキシコ戦で、3点ビハインドの7回裏に起死回生の同点アーチを放ち、世界に名を轟かせた日本の主砲・吉田正尚。今シーズンからレッドソックスに活躍の場を移し、日本人で初めて開幕戦に「4番(レフト)」で出場という華々しいデビューを飾った。

日本時間3月31日の開幕戦では地元ボストンのファンの前で2安打、4月4日にはグリーンモンスターを越えるメジャー初アーチを放つなど期待に応えたが、その後はメジャーの投手たちの手元で動く速球に手こずり、4月19日終了時点では打率が.167まで落ち込んだ。しかし、そこから吉田は適応力の高さを見せつけた。

球筋をより見やすくするためにオープンスタンスにフォームを修正し、4月21日のツインズ戦で2安打2打点を記録すると、そこから16試合連続安打を記録し、打率は.321まで急上昇。

連続安打が始まってすぐの4月24日のブリュワーズ戦は、その適応力の高さを確信する一戦となった。4対4の同点で迎えた8回裏の打席、吉田はカウント1-2からの4球目、カーブを捉えてライトスタンドへ勝ち越しアーチを放つ。その後、打線はさらに繋がり、3点を追加すると、二死満塁で再び吉田に打席が回る。2ストライクと追い込まれてからの4球目を振り抜くと、打球はライトスタンドに飛び込むグランドスラムとなった。ルーキー史上4人目、日本人では初となる1イニング2本塁打の快挙となった。

この後は、5月2~7日にかけて2安打4試合、3安打1試合を含む25打数12安打、打率.480、2本塁打、8打点の活躍で週間MVPにも選出された。

メジャー1年目をリーグ5位の打率.289、15本塁打、72打点で終了した吉田は、この1年を「もがいた1年」と表現したが、日本人最長の8試合連続マルチ安打、球団新人記録を更新する50回のマルチ安打など、適応力の高さを証明したシーズンでもあった。2年目はどのような活躍を見せてくれるのか、楽しみは尽きない。

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