北の軍事衛星の地球周回軌道発表遅れの理由

 北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げ、地球周回軌道に乗せた事案で発表が韓国などに比べ遅くなったことに日本の分析能力を懸念する声がある。

 これについて木原稔防衛大臣は「両国で必ずしもタイミングが一致するものではない」とし「発射が我が国に及ぼす影響など総合的に勘案した結果、『北朝鮮が発射した何らかの物体が地球を周回していることを確認した』旨を説明した」と記者会見で語った。

 そのうえで「防衛省・自衛隊としては国家防衛戦略等を踏まえ、宇宙関連予算を大幅に増額しつつ、本年3月から宇宙作戦群による宇宙状況把握、SSA(宇宙情報把握)システムの運用を開始するなど、SDA(宇宙領域把握)能力の抜本的強化に向けた取組みは緒についたところと認識している」とした。
 
 木原防衛大臣は「宇宙領域において優位性を確保すべく、今後、SDA衛星やレーダーを始めとする各種アセットの整備や宇宙専門部隊の拡充等を強力に進めていく」と述べた。防衛省は来年度予算概算要求にSDA強化に契約ベースで約318億円、宇宙領域情報収集能力強化関連に約315億円など総額1654億円を計上した。(編集担当:森高龍二)

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