「原爆小頭症」被爆者のフィルム、横浜で発見 60~70年代撮影、保存検討へ

自宅で母と過ごす原爆小頭症の田中敏子さん(右)。母は体調が悪い様子で、顔を見せることはなかったという(1966年、菅沼さん撮影・提供)

 1960~70年代に広島県内などで「原爆小頭症」被爆者らを撮影したフィルムが横浜市内で見つかった。写真約3千枚分で、国が原爆症として認めた67年以前のものも含まれている。29日には原爆資料館(広島県)に託され、今後、保存や活用に向けて検討される。

 横浜市内の自宅でフィルムを保管していたのは菅沼清美さん(76)。資料館に展示されている小頭症被爆者の写真を撮った重田雅彦さん(79)=広島県=と東京写真大学短期大学部の同期で、66年春から2人で撮影し始めた。

 見つかったのは、菅沼さんのフィルム59本(写真約1800枚分)と、重田さんのフィルム34本(約千枚分)。

 菅沼さんのフィルムには、66~67年ごろを中心に、当時20歳ぐらいの小頭症被爆者ら4人や家族の姿や、厚生省(当時)に実情を訴える場面などが収められているという。

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