【MLB】ヤンキースの元オールスター右腕ルイス・セベリーノ メッツと1年契約

写真:メッツへ移籍することになったルイス・セベリーノ

11月29日(日本時間30日)、ヤンキースからFAとなっていた29歳右腕ルイス・セベリーノがメッツと1年1300万ドルで契約合意したと複数の米メディアが報じた。

ドミニカ出身のセベリーノは2012年にアマチュアFAでヤンキースに加入。2015年に21歳の若さでメジャーデビューを果たすと、2017年にはサイ・ヤング賞投票3位に入る大ブレイクで一躍スター選手となった。翌2018年には2年連続でオールスターにも選ばれるなど、田中将大やCC・サバシアらとともにヤンキースの先発ローテーションの要として活躍した。

2019年シーズン開幕前には4年4000万ドル(5年目の球団オプション付き)の契約を結び、ヤンキースの若きエースとして活躍し続けることが期待されたが、開幕前に右肩を故障するなど長期離脱。ここから故障に悩まされ続けたセベリーノは、2020年シーズン開幕前にもトミー・ジョン手術を受けるなど、様々な故障によって直近5シーズンで45試合の登板にとどまっており、今オフヤンキースからFAとなっていた。

これまでは故障がちだが投げれば一級品というセベリーノだったが、今季は19試合に登板し防御率6.65と投球内容も大きく悪化。高額な契約を得るのは難しいと予想されていたが、メッツとの契約は1300万ドルと今季年俸(1500万ドル)から微減となった。

今季はMLB最高の年俸総額を誇りながらもシーズン途中マックス・シャーザーやジャスティン・バーランダーを放出するなど売り手にまわったメッツは、今オフから新編成本部長デビッド・スターンズの下でどういった動きを見せるか注目されている。山本由伸獲得の有力チームと目されるなど、特に先発投手の補強は既定路線だったが、セベリーノ獲得はその復活に期待してのものとなる。

不振だった今季の投球も、4シームの平均球速は96マイル(約154.5キロ)を超えるなどいまだにリーグ有数の速球派先発投手である。また、シーズン終盤には2試合連続で無失点に抑える好投を見せるなど復活の兆しもあった。

それでも故障がちのセベリーノはフルシーズンの投球を期待できる投手ではない。賭けに近い契約だが、MLB最高の資金力を持つメッツとしては、1年1300万ドルはそれほど大きなリスクではないのだろう。スターンズ編成本部長は「今冬は複数の投手を獲得する」と名言している。ここからメッツの大物投手獲得はあるだろうか。

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