大分市寿町の県立美術館で開催中の「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」(大分合同新聞社共催)に関連して、古代ローマの浴場設計技師が主人公の漫画「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさんのトークイベントが11月25日、同館であった。
2日前から大分入りし、別府市や由布市の塚原温泉などを取材したというヤマザキさんは「温泉は地球の恩恵。この展覧会を『おんせん県』の大分でやるのは本望」と切り出した。
「テルマエ・ロマエ」が生まれた背景について「海外で暮らし、湯船に全身で漬かるという習慣を絶たれ、入りたい思いが募っていた時に、日本の古い銭湯の湯船からローマ人がザバーッと出てくる場面がふと浮かび、描いてみた」と説明。漫画はヒットして数々の賞を受賞。実写映画化、アニメ化され、世界中で愛される作品になった。
古代ローマの歴史、日本の独特な風呂文化などにも触れ、「平和、裕福でなければ、日本のシャンプーハットや風呂用おもちゃなどのグッズは生まれない。お風呂の発展は平和の印」と話した。
来場者からの質問に答え「別府はネタの宝庫。温泉と観光がマッチングして結晶化して根付いている」などと語った。
▽会期は2024年1月21日まで。観覧料は一般1400円、大学・高校生千円。中学生以下無料。