[第37回NAHAマラソン]
乳がんを患い、2度の手術を乗り越えて出場した大坪優子さん(41)=大阪府=は、4時間26分22秒でゴールした。「4時間を切りたかった」と悔しさをにじませながらも、「喜びをかみしめて走り切れた。最高の42.195キロ。またこの舞台に帰ってこれて良かった」とはにかんだ。(社会部・玉那覇長輝)
大坪さんが「マラソンの原点」と話すのが2019年のNAHAマラソン。走る喜びとゴールの達成感を覚え、マラソンにのめり込んだ。それ以降、SNS(交流サイト)で知り合った友人らと練習し、京都や名古屋のマラソン大会に挑戦してきた。
だが、21年8月の定期診断で乳がんと宣告され、22年6月までに2度の手術を受けた。退院後3カ月まで思うように体を動かせず、大好きなマラソンを奪われた。それでも、「マラソンは私にとって希望。頑張って治せばまた走れる」と奮い立たせて、リハビリに取り組んだ。
今では、月100キロ走り込む。再起となった昨年のNAHAマラソンも見事完走し、以来サブフォー(4時間未満)を目指し、練習に励んできた。
今年のNAHAマラソンは、足が速い「アラレちゃん」の衣装で出場。沿道の応援団とハイタッチや握手を交わしながら、42.195キロを楽しんだ。
来年3月には、名古屋ウィメンズマラソンに出場する。「目標はサブフォー。またNAHAマラソンにも戻ってくる」。大坪さんは走り続ける。