【MLB】マリナーズとブレーブスが電撃トレード 若手外野手ケルニックがブレーブスへ

写真:ブレーブスへトレードされたケルニック

マリナーズとブレーブスが驚きのトレードを成立させた。12月3日(日本時間4日)、複数の米メディアが報じた。

ブレーブスは外野手のジャレッド・ケルニック、左投手マルコ・ゴンザレス、一塁手エバン・ホワイトの3選手の獲得に加え、金銭も受け取るという。対価としてマリナーズが獲得したのは、右投手ジャクソン・コワーと同じく右投手のコール・フィリップス。

このトレードのメインとなったのは24歳の若手外野手ケルニックだ。ケルニックはメッツのマイナー時代から有望株として高く評価されており、2018年オフにはエドウィン・ディアスやロビンソン・カノーとのトレードでマリナーズへと移籍。2021年にはメジャーデビューを果たしたが、ここまで3シーズンで通算打率.204、32本塁打、OPS.656と高かった期待に応えているとは言い難い。しかし今季は打率.253、OPS.746とブレイクの兆しを見せており、来季以降の活躍に期待されていた。

マリナーズとしては放出する必要がなかったケルニックのトレードに至ったのは、不良債権化していた他の選手を放出するためだ。ゴンザレスは31歳のベテラン左腕で、2019年には203イニングを投げたタフな好投手だが、今季は故障もあって10試合の先発で防御率5.22という成績に終わった。来季年俸は1225万ドルであり、そのコストに見合わなくなってきたゴンザレスをマリナーズは見切った形だ。

また、同時に放出された27歳のホワイトは近年のマリナーズにとって重荷になっていた選手。メジャーデビュー前の2019年に6年総額2400万ドルという契約延長を行ったが、メジャーでは2020年から21年まで2シーズン出場し通算打率.165と結果を残せていない。直近2シーズンはメジャーでの出場もなく、契約は2025年まで残っている。

一方で対価としてマリナーズが得たコワーは、先日ブレーブスが元最多勝右腕カイル・ライトを放出して獲得した投手。元有望株だがメジャーの壁に当たっておりここまで好成績は残せていない。ブレーブスは戦力とするのではなくマリナーズに”転売”した形だ。またもう一人の対価フィリップスは今回のトレードで唯一メジャー経験がない選手。2022年のドラフト2巡目投手で、最速100マイル(約161キロ)にも到達する20歳の剛腕だが、ドラフト前にトミー・ジョン手術を受けており、まだマイナーでも試合に登板したことがない。

このトレードにおけるマリナーズの意図は明確に年俸削減だ。マリナーズがどれほどの金銭を負担するのかは不明だが、ゴンザレスとホワイトという契約が重荷になっていた選手を放出することで予算に余裕を作った。しかし、マリナーズはFAの大物を狙わないだろうと報道されており、今後は空いた予算でFA選手を狙うのか、あくまでトレードをメインに動くのかに注目だ。

『MLBネットワーク』のジョン・モロシ記者は自身のX(旧ツイッター)で、マリナーズはレイズとのトレードを画策していると報じており、内野手アイザック・パレイデスや外野手アンディ・アロザレーナの名前が挙がっている。ケルニックを放出したことでマリナーズにとっては外野手のニーズが大きく増しており、今後なんらかの補強が行われるかもしれない。

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