進まないごみ分別の細分化 不足する業者 沖縄のリサイクル率、15.8%で全国34位

 りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)は4日、調査リポート「県内の一般廃棄物処理の状況と資源循環推進に向けた提言」を発表した。沖縄県内の2021年度のリサイクル率は全国平均を4.1ポイント下回る15.8%で全国34位だった。各市町村で分別収集の細分化が進んでいないことや、細分化されていてもリサイクルに直結していない現状がある。県内のリサイクル事業者の不足も要因と分析している。

 一般廃棄物の分別について、環境省は少なくとも12区分を指針として提示しているが、分別方法は各市町村が独自に定めている。一般的に細分化されているほどリサイクル率は高まる。

 名護市は17分別と県内で最も細分化が進んでいるが、リサイクル率は11.2%にとどまる。ビニールなど「その他プラスチック」の汚れが落とされておらず、リサイクルにつながっていないとみられる。

 また、県内ではリサイクル事業者が不足している。特に、プラスチック製容器包装と紙製容器包装の登録事業社はゼロ。リサイクルするには県外の事業者へ輸送する必要がある。コストがかかるためリサイクルが進まず、市町村での分別区分の見直しにもつながっていないという。

 県内で分別の細分化が進まないことからリサイクルが事業として成り立たず、事業者が増えていかないという「表裏一体」の原因もある。

 提言は、地域住民の環境や資源循環に対する意識を向上させながら、市町村が連携して一斉に収集区分を細分化する必要があると指摘。自治体やリサイクル事業者、県民が連携し、リサイクル推進に向け意見を交わす協議会の設立も提案している。

 城間櫻研究員は「官民が連携し資源循環を推進していくことが必要」と話した。(政経部・川野百合子)

一般廃棄物の資源循環に向けた提言

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