「人生の楽園」西田敏行が案内人を務めて20周年!「自分の命ある限り、いろんな人生を見ていきたい」

テレビ朝日系では12月9日に「人生の楽園 西田敏行20周年! 冬の1時間スペシャル」(午後6:00)を放送。長年、“楽園の案内人”としてナレーションを務めてきた西田敏行自身が、“楽園の住人”を訪ねた珠玉の名場面を紹介する特別企画を、相棒・菊池桃子と届ける。

自分にとっての“人生の楽園”を見つけ、憧れの田舎や愛する故郷で第二の人生を送る人々の日常を紹介する「人生の楽園」。初代案内人のいかりや長介から引き継ぎ、2003年10月から案内人を務めてきた西田が、20周年を迎えた。それを記念して1時間に枠を拡大し、同じく案内人を務める菊池と共に、スタジオに登場する。

番組開始からのべ1157組の楽園の主人公を紹介してきた「人生の楽園」。西田が20周年を迎える記念すべき回では、まずは1158組目となる新たな楽園の住人を紹介する。舞台は、青森県南部の山間にある五戸町。7年前に、東京から亡き祖父母の家に「孫ターン」をした佐藤岳広さん(42歳)・美穂子さん(41歳)の夫婦が主人公だ。

東京のIT企業で働きながら「いつか思い出深い祖父母の家に帰る」という思いを抱いていた岳広さんと、「いつか自然豊かな田舎で農業をして暮らしたい」と考えていた美穂子さんが知り合い、結婚。16年に念願の移住をし、農家での研修を経て、19年に独立した。岳広さんは、先人が残した千歯こき(穀物を歯と歯の隙間にはさんで引いて脱穀する農具)やとうみ(風力を起こして穀物をもみ殻・玄米・ちりなどに選別するための農具)を今も大切に使い、手作業中心の昔ながらのやり方で、野菜作りや稲作を行っている。さらに、「農家民宿&カフェ 音水小屋」も始めた佐藤夫妻は、3人の子どもたちと一緒に元気に田舎暮らしを満喫。“農のある暮らし”を追求しながら、家族5人で送るにぎやかな日々、そして地域の人たちとの温かい交流を伝えていく。

そして、もう一つの企画が「もう一度見たい名場面! 西田敏行が旅した感動の楽園」だ。05年1月3日放送の「新春スペシャル」を皮切りに、これまで番組の節目ごとに全国の楽園の主人公を訪ねてきた西田の名場面を紹介。沖縄県石垣島では、ハーブ園を始めた主人公の農作業を手伝ったり、カヌーに乗ってガザミ漁にチャレンジしたり、イベント開催の広報部長を担ったりと、振り返る西田も思わず「楽しかった~!」とつぶやく。

西田が故郷の福島県を訪ねた、10年前のとっておきの名場面も。東日本大震災後に、復興のために力を合わせて頑張る主人公や地元の若者たちを前に、西田が贈った歌のエールや、再会した幼なじみと温泉で盛り上がり楽しむ姿など、貴重な映像が続々と披露される。

収録を終え、西田は「案内人を最初に務められた、いかりや長介さんからバトンタッチさせていただいて20年ですが、ついこの間のような感じがするんですよ。いかりや長介さんと『よろしく。あとをお願いしますね』と握手した時の温もりが、まだ手に残っているような感触があるので、実感するのは『本当に時が経つのが早いな』ということだけですね」としみじみ。

「人生の楽園」が長く愛されてきた理由については、「いろんな人生をこの番組を通して見させていただいていて、本当に皆さんそれぞれが素晴らしい人生を歩まれているので、『あー、やっぱり人間っていとおしいな』と、ナレーションをするたびに感じています。一生懸命生きている人の素晴らしさを、番組を通して皆で共有し、味わい深く楽しませていただくのが、この番組の素晴らしさじゃないですかね。そんな『人生の楽園』に登場する皆さんを見ていると、おのずとどういう発声でナレーションを読んだら一番伝わるかな、という気持ちになるので、その印象で声の出し方は変わっていきますね」と見解を述べ、ナレーションに込めてきた思いを語った。

「自身にとっての人生の楽園は?」という問いに、「桃子さんの声は本当に優しくて、ちょっと甘い感じがして、奥行きがあり、桃子さんでないと出せないニュアンスが、この番組の一つの色彩になっています。私が問いかけた時に、桃子さんから『はい』って返事をいただいた瞬間は、『あー、一緒にやっているな』『楽しくやっているな』ということを実感するんです。その瞬間は僕の人生にとっての楽園ですね」と菊池の存在の大きさを明かす。

続けて、「私は来年11月になったら喜寿なんですけど、まだまだ人生迷うことばっかりで、達観の域なんてとんでもない話。この番組で、いろんな若い方々の人生や、夫婦の働いて頑張っている様子、それから、しっかり達観されたご老人の気持ちなど、そういったものが雨あられのように味わえて、『人生っていうのは人それぞれ、100人100様の味わいがあるもんなんだな』ということをつくづく感じています。そこで随分と刺激をいただいたり、勉強になったり、ある種、自分の人生に対する参考本みたいなニュアンスもありますね。そういう意味では、この番組が私にとっての人生の楽園です」と応じた。

一方、09年1月から西田と共に案内人を担っている菊池は、「やはり西田さんは頼もしい存在です。皆さんの人生を紹介していく上で、私だと少し軽くなってしまったり不安になってしまったりする心細い部分を、西田さんがいつも補ってくださっているので、いつまでも甘えさせていただいてばかりではと思いつつも、これからもしっかり甘えつつ、皆さんに認めてもらえるようなタッグを、もっと進化させたいと思っています」と、今後へのさらなる意気込みを表した。

加えて、「これまでさまざまな楽園の主人公を見せていただいてきて、時には泣いてしまったり、時には大笑いしてしまったり、印象深い場面がいくつも思い出されるのですが、その中で、皆さんは楽園を見つけたというよりも、いつまでも探し続けているんだな、現在進行形であってもいいんだなというふうに思わせていただきました。私も今、人生の途中ですけれども、楽園を探し続けていたいなと思います」と話し、「案内人として、また同じ職業の大先輩として、西田さんのそばで人の心の伝え方を学べるという、とても得難いポジションに私はつかせていただいているので、これからも精進して、もっと深く人の心を伝えられるようになりたいと思っています」と、20周年を迎えた西田の節目を受けて、自身もさらに気を引き締めていた。

© 株式会社東京ニュース通信社