〝時報サイレン〟「うるさい」の苦情受け回数減らすと…「鳴らないと困る」と苦情30件【長野・山ノ内町】

これまで山形村の時報サイレンの対応をお伝えしてきましたが今度は山ノ内町です。一時住民の苦情を受け、山形村では放送時間を短くするという対応をしましたが山ノ内町は全く別の対応となりました。

時報チャイム穏やかな音色が正午を告げます。
山ノ内町39カ所に設置されたスピーカーから鳴り響きます。
しかし…

■山ノ内町危機管理課・危機管理係長・樋口淳一さん
「30件以上ご意見の方はいただいております」

このクレーム…音に関する内容ではありませんでした。

■山ノ内町危機管理課・危機管理係長・樋口淳一さん
「鳴らないといつの間にかお昼になってたぞみたいな… 住民のみなさんにとっては馴染みのあるものだったので」

山ノ内町の時報サイレンは30年余り、午前10時と正午、そして午後3時・5時・6時の一日5回、時を告げてきました。
午後5時には「夕焼け小焼け」を流すなど、時間に合わせた選曲も。
しかし毎年数件、「回数が多い」「うるさい」といったクレームはありました。
そこで先月、放送回数を正午のみの1回にしたところ、逆に30件を超える苦情が寄せられました。

■リンゴ農家
「時計はめて時間チラチラ見ながらやりますけど、鐘が鳴った10時で一休みするかなとか。(子どもが)外で遊んでいれば鐘が鳴ったら家帰って来いよって言えば家に帰ってくる」
■ブドウ農家
「外で仕事している人間からすれば目安なので、何にも音が鳴らないと、ちょっと1日のリズムとしてはちょっとつかみづらいですよね」

この状況に、町は…。

■記者
「町は地区ごとに希望を聞いて回数を調整することにしたが、温泉街は回数を減らすことにした」

■山ノ内町危機管理課・危機管理係長・樋口淳一さん
「10時と3時のチャイムが鳴る場所なんですけど、こちらの方になりますね、こちらの方農家の方が多い地区になります。(回数を減らしたのは)駅を中心とした湯田中のエリアですとかこちらの渋温泉のエリアですね、旅館街とか観光客の多いエリアになります」

温泉街の住民は…

■住民
「時報によってお客さんを早く立ち退けっていうようにとらわれるのも困るかなっていう考え方もあるかと思う」
■住民
「温泉街でも10時とか3時に鳴ると営業とか分かると思うんで、私は慣らした方が情緒あって良いと思いますね」

時報サイレンは防災無線の点検も兼ねているため、町は正午の1回は残しその他は調整していくとしています。

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