100年前の「震度7」そこかしこに 関東大震災の被害と復興テーマ、寒川で企画展

関東大震災の被害と復興を取り上げた企画展=寒川文書館

 「関東大震災 寒川の被害と復興」と題した企画展が、神奈川県寒川町宮山の寒川文書館で開かれている。同館の所蔵資料や町内に残る石碑などから、100年前の被災実態と復興の歩みを伝えている。10日には関連講座を開き、当時の状況などを解説する。

 展示を担当した高木秀彰さんによると、当時の寒川村では家屋575戸が全壊し、31人が死亡した。震源の県西部に比較的近いことなどから、震度7相当の激震に見舞われたと報告されている。

 犠牲者の氏名などを刻んだ石碑が町内各所に残っており、企画展では、そこから読み取った各地の被害を紹介した。寒川尋常高等小学校は大半が倒壊し、村役場とともに再建されたことを年表などで示す一方、村内では、震災1年後も半壊や傾いたままの家屋が少なくなかった状況を解説している。

 寒川神社も大きな被害を受け、社殿の再建は内務省の予算で進められた。倒壊した鳥居が今も境内に保存されていることも説明している。

 企画展は28日まで(月曜休館)。関連講座(会場は寒川総合図書館)は午前10時から11時半まで。無料。問い合わせは、南部公民館電話0467(75)0281。

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