「M-1グランプリ2023」決勝進出者9組が決定! 令和ロマン、ヤーレンズらが初の決勝へ

2001年にスタートし、今年で19回目を迎える「M-1グランプリ」。テレビ朝日系では12月24日に「M-1グランプリ2023」(午後6:30=ABCテレビ制作)の敗者復活戦および決勝戦を生放送する。このたび、12月7日に行われた準決勝では、31組の漫才師たちが4分間のネタを披露。そして、厳正な審査の結果、ダンビラムーチョ、カベポスター、マユリカ、モグライダー、くらげ、令和ロマン、さや香、真空ジェシカ、ヤーレンズの9組が決勝へ進出することになった。

昨年は、世間の風潮に逆らうかのように、ねたみやひがみを思う存分ぶちまけたウエストランドが圧倒的な支持を得て優勝し、大きな注目を集めた。今回、全国の漫才師の中から漫才日本一を決める本大会には、史上最多となる8540組がエントリー。ダンビラムーチョ、くらげ、マユリカ、令和ロマン、ヤーレンズの5組が初の決勝進出となる。この9組に、12月24日に東京・新宿住友ビルで行われる敗者復活戦で勝ち上がった1組を加えた10組が、決勝で激突する。

準決勝では、まず「ベストアマチュア賞」を発表。選ばれたのは、東京大学3年生と早稲田大学3年生のコンビ・ナユタ。準々決勝まで進んだ2人が「プロになりたい」と明かすと、MCのはりけ~んずから「先輩として言うわ。やめとき」と心配される場面も。

加えて、今年新たに新設された「ナイスキッズ賞」は、5歳の双子コンビ・とうはるら5組、同じく新設された「ジモトスター賞」は、熊本県のPRマスコットキャラクターのくまモンとお姉さんのコンビ・くまモン隊ら5組が受賞した。「ナイスキッズ賞」の中から「ベストキッズ賞」に選ばれた小学生の女の子コンビ・ラブリースマイリーベイビーは、舞台に現れると、すぐさまマイクの位置を直したり、お決まりのポーズを堂々と見せるなど、プロ顔負けの立ち居振る舞いに、はりけ~んずの2人が圧倒されていた。

準決勝はダブルヒガシ、ぎょうぶ、きしたかの、ドーナツ・ピーナツ、ママタルト、フースーヤ、トム・ブラウンが登場。ワイルドカード枠で初めて準決勝に勝ち上がったトップバッターのダブルヒガシは「ありがとう」「うれしい」と感謝の言葉を述べてからネタをスタート。18年に決勝進出したトム・ブラウンは相変わらず独特な世界観のネタで会場の視線をくぎ付けにした。

続いて登場したのは、華山、スタミナパン、豪快キャプテン、オズワルド、ヘンダーソン、くらげ、バッテリィズ、真空ジェシカ。19年「ABCお笑いグランプリ」で優勝した華山は、やすいの面倒くさい相談に、にこらすが独特の口調とセンスでツッコミ。3年連続で決勝に進出しているオズワルドのネタでは、畠中悠の奇想天外な言動に伊藤俊介が振り回される。2年連続決勝進出の真空ジェシカは、川北茂澄が独特のワードセンスでファイナリストの実力を見せつけた。

折り返しに入ると、ナイチンゲールダンス、鬼としみちゃむ、令和ロマン、ニッポンの社長、ダイタク、20世紀、エバース、モグライダーの番に。3年ぶり4度目の準決勝進出となったニッポンの社長は、ケツが観客に必死で語り掛ける姿とそれに静かにツッコむ辻の絶妙なやりとりで初の決勝進出を狙った。双子のダイタクは2年ぶり5度目の準決勝。大が明かす双子ならではのエピソードに、拓がツッコむたび客席から笑いが。初の準決勝進出となった20世紀は、意外な設定の漫才コントを熱演し、笑いを量産。21年に決勝進出したモグライダーは、天然すぎるともしげを巧みに導く芝大輔の手腕に、観客が思わず拍手する場面も。

終盤に舞台へ上がったのは、ダンビラムーチョ、ヤーレンズ、ロングコートダディ、ななまがり、シシガシラ、さや香、カベポスター、マユリカ。5年連続で準々決勝止まりだったシシガシラは、念願の準決勝で脇田の心の叫びを解放。昨年ウエストランドに敗れ準優勝に終わったさや香は、テンポ感抜群のなにわ漫才でこの日一番の大声を張り上げた。

TVerスペシャルライブの生配信で行われた決勝進出者発表会見は、マヂカルラブリーが司会を担当。野田クリスタルは「出る側だったのでちゃんと見たことがなかったんですが、ホント気が楽。すごく楽しかったですね」とコメントすると、村上も「ライブとしては最高峰のお笑いライブ。最初から最後まで全員面白い」と、準決勝の盛り上がりぶりを称賛した。

そして、発表の瞬間を撮影したVTRとともに、ダンビラムーチョ、カベポスター、くらげ、マユリカ、モグライダー、令和ロマン、さや香、真空ジェシカ、ヤーレンズが登場。ダンビラムーチョ・大原優一は「めちゃくちゃうれしいです。去年は準決勝がスベりすぎてやばかったです」と昨年の準決勝を回顧しながら安堵の表情に。一方、原田フニャオが「うれしすぎてふにゃふにゃになっちゃいました~」とコメントすると会場は静まり返り、野田からも思わず「(会見では)気を付けた方がいいよ(笑)」と本気でアドバイスされていた。

カベポスター・浜田順平は、手応えがあったものの、さや香が一つ前の出番だったため「申し訳ないですが、頼むからスベってくれと思っていた」と本音を吐露。この言葉にさや香・新山から「おい!」と思わずツッコミが入ると、会場は笑いに包まれた。永見大吾は昨年の決勝が8位に終わったことに「リベンジという気持ちが強い」と力を込めた。

発表の瞬間は涙する様子も見られたくらげ。「とにかく一生懸命悔いなくやるだけでございます」と真面目に語った渡辺翔太に対して、野田から「一般的な考え方(笑)」とツッコミが入るが、村上から「泣いてませんでした?」と聞かれた杉昇は「もちろん泣きました」と開き直る一幕も。

マユリカ・中谷は「とにかくうれしかった!」とその喜びを伝えるべく母親に決勝進出の報告の電話をしたものの、『すでに寝ていた』と苦笑。そんな話を聞いていた阪本にはある悩みが。「いつも走って出てくる登場が、決勝では(演出上)できない」と決勝ならではの苦悩を明かすと、野田が「阪本だけ横からの登場とか駄目なの?」と提案。決勝では果たしてどうなるのか、気になるばかりだ。

ヤーレンズ・出井隼之介は「悲願です。うれしかった」と思いを明かし、楢原真樹は「ホクホクでした。まるで新ジャガイモのように」と手応えを伝えながら、Gパンパンダ・一平にLINEを送ったことを報告。「なんで?」と周囲がざわつく中でも「まだ既読が付いていない」と終始落ち着いていた。

過去2回の決勝進出者会見でボケ倒していた真空ジェシカ・川北は、今年も顔が浮かび上がる謎のマスクをかぶって登場。「すみません、昔のゆってぃの電子マスクです」という説明に、野田は「すっげー! 何それ!!」と大興奮するも、そんな姿を横で見ていたガクは「もう決勝も3度目にもなるのに何にも分かってなくて…」とこぼすと、野田もすかさず「来年から手荷物チェックしますので」と注意喚起が。会場中の注目を集め盛り上がるも、最後は途中で電池が切れてしまうハプニングにも見舞われてしまった。

昨年は惜しくも準優勝で涙をのんださや香は、17年の決勝では自分たちの前にネタを披露したマヂカルラブリーに向かって、早速「死ぬほどやりにくかったわ!」と恨み節。マヂカルラブリーがニヤニヤしていると、「今年は前の組が変なやつにならんことを願ってます」「真空ジェシカの後は嫌だ」と石井も荒ぶる様子を見せる。

令和ロマンは、最近野田と筋トレの仕事をしたことを明かしながら「グッとパワーが増しました。筋肉でもぎ取った決勝」と感謝を述べる。村上から「緊張してる?」と聞かれると、「そういうこと言われると、このみんなで戦うんだなと。緊張してきました」と楢原がベタな緊張ぶりを見せた。

モグライダーはともしげが代表して「お仕事いっぱいいただいて、ごはんがいっぱい食べられるようになって、『M-1』に感謝しているので恩返しできれば」と笑顔。「この大会をいい大会できるように引っ張っていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と続けると、芝からは「文字数が多いだけの会話!」と思わずツッコミが。

生配信終了後の質疑応答で「決勝進出決定後に相方とかわした会話」について聞かれると、くらげは「ダイタクさんが抱きしめてくれたんですが、大さんだったのか拓さんだったのかについて」と回答。令和ロマンはヤーレンズと一緒にツーマンライブをしていることもあり「マジで『来い!』って祈ってました」と2人でヤーレンズの決勝進出を祈っていたというほほ笑ましいエピソードも飛び出した。

続いて「緊張をどう克服するか」という質問では、ヤーレンズが「鼻から大きく息を吸う」「(観客を)カボチャだと思って」と答えるなど、アドバイスのようなボケ回答が続出する中、阪神タイガースファンのさや香・新山だけは球団グッズのネックレスを胸元から取り出し「こういう存在が心強い!」と熱弁。全員がそれぞれの方法を明かす中、ともしげは「質問を聞きそびれまして」とここでも天然発言で会場の笑いを誘った。

「この決勝進出者の中でライバルは?」と問われると、ダンビラムーチョはくらげ、マユリカ、令和ロマンを挙げ、「昔から切磋琢磨(せっさたくま)してきた。負けたくない」と宣言。カベポスターがさや香に「いつもウケてる。もううんざり」と対抗心をむき出しにすると、さや香も「大阪で仕事取り合ってる」とカベポスターをライバル指名。最後までボケの応酬となり、盛り上がりを見せた会見となった。

なお、決勝戦本番のネタ順はおなじみとなった「笑神籤(えみくじ)」方式。毎回クジを引き、呼ばれた組がそのままネタを披露。1組ずつネタ順が決定していくことになる。

今年は敗者復活戦が大きく様変わり。敗者復活戦に出場する21組の漫才師は準決勝の順位をもとにA・B・Cの三つのブロックに7組ずつ分かれ、順番に4分間の漫才を披露。1組目とネタを終えたばかりの2組目、どちらがおもしろかったかを観客の中からランダムに選ばれた審査員が投票。その勝者と3組目…とサバイバル方式で競い、勝ち残った1組が各ブロックの勝者となる。さらに、「M-1グランプリ」を知り尽くした芸人審査員が、各ブロックの勝者3組の中から一番面白いと思った1組に投票。得票数が最も多かった組が決勝進出となる。観客とプロ、二つの厳正な審査を勝ち抜く敗者復活最強の1組に、注目が集まる。

優勝賞金1000万円と漫才日本一の称号を競う戦い。最後まで盛り上がりに期待したい。

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