さくら市傷害致死事件 検察が被告の男に懲役20年求刑

2019年、妻とその妹と共謀し高根沢町の当時24歳の女性をさくら市のアパートに監禁し暴行を加え死亡させ、遺体を宮城県の山林に遺棄したとして、傷害致死などの罪に問われている男の裁判員裁判が8日、宇都宮地方裁判所で開かれ検察側は懲役20年を求刑しました。

傷害致死や死体遺棄などの罪に問われているのは、住所不定・無職の海部学被告(37)です。起訴状などによりますと海部被告は4年前(2019年)、妻の春香受刑者らと共謀し、高根沢町の当時24歳の女性をさくら市内の自宅アパートに監禁し殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林へ遺棄したとしています。妻の春香受刑者は懲役8年が確定していて、その妹の高木沙耶花被告は11月24日に懲役5年の判決が言い渡されています。

検察側は論告で、海部被告が被害者の女性に売春させて金を得るために長期間にわたり虐待していたと指摘しました。そして、日常的に激しい暴行を加えていて「危険性や残虐性の点で際立って悪質な行為」と非難し、懲役20年を求刑しました。

一方、弁護側はこれまで被害者の死亡は海部被告の暴行によるものとは限らないと主張し、「傷害致死」については否認していました。最終弁論では、仮に傷害致死罪が成立する場合でも懲役9年程度が妥当と減刑を求めました。判決は来年1月11日に言い渡される予定です。

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