ビビ卒業しました~第81回~

ビビ卒業しました~第81回~

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里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか? そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。 東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」 ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。 今回は卒業したビビちゃんのお話しです。

ビビちゃんは2022年11月にたまゆらにやってきました。
とにかく怖がりでなかなか触ることも出来なかったビビちゃん。
猫のことは大好きで、いつも色んな猫さんに甘えていました。

特に好きだったのがサトルくん。
サトルくんは他の猫さんに甘えられてもなかなかの塩対応なのに、全くめげずに毎日甘えている姿はとてもいじらしく健気でした。

おもちゃにも最初は全然興味を示さず、遊ばない子なのかと思っていましたが、どうやら他の猫さんに遠慮していたようで、慣れてきたら徐々に遊ぶ姿も見せてくれるように。
そしてそれよりも好きなのがブラッシングで、お客様にブラシをしてもらって気持ちよさそうにしている姿が印象的でした。

そんなビビちゃんにお声をかけてくれたのは、卒業生のポッケちゃん(元ギョウメイ)のお家でした。
ポッケちゃんはそれまで同じく卒業生のマウくん(元テンゲン)とそれは仲良く暮らしていましたが、マウくんが闘病の末に旅立ち一人っ子になっていました。
里親さんはこのまま一人っ子として暮らしてもらうか悩み、そして新しく家族を迎える決断をされたのです。

ビビちゃん卒業のちょっと前にたまゆらで胃腸炎が流行ってしまい、先住さんへの影響を考慮して出発が延期になってしまうということもありましたが、皆さまからのたくさんのお気持ちと一緒にいざ新しいお家へ。

ポッケちゃんと一緒に暮らしていたマウくんは、実はたまゆらでは同期生でしたが、お家に来たのはポッケちゃんの一か月後でした。
その時のポッケちゃんの喜びようは今でもはっきり覚えているくらいで、果たして今回の対面はどうなるかと楽しみにしていました。

お家についたビビちゃん、まずはケージに入ってもらったのですがポッケちゃんがすごく興味を示すのでポッケちゃんの行動を見守っていたらまんざらでもない様子。
むしろビビちゃんがシャーしてしまってドキドキしました。

その後いただいたご連絡では、ビビちゃんが最初はベッドの隙間に籠りつつもごはんはちゃんと食べていること、ポッケちゃんがビビちゃんをそっと見守ってくれていること、数日で早くもふたりの距離が縮まりつつあることが記載されていました。

ところでトライアル前から心配していたのが、ふたりの相性でした。
ふたりとも、猫は好きだけど自分が甘えたいタイプ。
甘えたい同士で需要と供給が一致せず仲良くなれなかったらどうしようと思っていたのです。

案の定、ふたり揃ってお腹を出しお互い舐められ待ちをしていることもあったそうですが(笑)、むしろビビちゃんがポッケちゃんの真似をして人に甘えるようになったりと良い影響の方が大きかった様子。
当初設定したトライアル期間を短縮して1週間で正式譲渡となりました。

ビビちゃんの新しいお名前はのんのちゃん。
アイヌ語で「お花」という意味だそうです。ちなみにポッケちゃんはアイヌ語で「あたたかい」という意味とのことで、ふたりともとても素敵な名前をいただいています。

その後はのんのちゃんがポッケちゃんを甘やかしてあげるようになったそうで、最近ではすっかり仲良しに。
私もお留守番の際のお世話でお家に伺いましたが、のんのちゃんがポッケちゃんを大好きなのがよく伝わってとても安心しました。
のんのちゃん、ずっとのお家おめでとう。
優しくて甘えん坊のお兄ちゃんとご家族と、末永くお幸せにね!

文・今場奈々子(たまゆら店長)

保護猫カフェたまゆら

営業時間
※ホームページにてご確認ください

平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~17時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜

東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639

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