広島で自転車事故多発ワーストの地域、通学路で危機感じた小学生の「大人も見習ってほしい」問題意識

自転車事故が多発する出汐町交差点で、横山課長(左)から通行時の注意点を聞く小橋さん

 広島大付属小(広島市南区)4年小橋里緒さん(9)=南区=が、広島南署や地域住民への取材をもとに、自転車の安全利用を呼びかけるマップを作った。南区は自転車事故の多発地域。「地元の人に危険な場所やルールを知ってもらえれば、事故は減る」との願いを込めた。

 縦約110センチ、横約80センチの模造紙に自宅周辺の地図を記し、交通事故が多発する出汐町交差点や交通量の多い道など危険箇所を紹介。道路標識や写真もちりばめ、「朝・夕は抜け道で車が多い」「信号機がないので気をつけて」などと訴える。「安全利用五則」と題し、ヘルメット着用や夜のライト点灯など乗車時の注意点もまとめた。

 スピードの出た自転車と歩行者が行き交う朝の通学路を危ないと感じたのが作ったきっかけだ。広島南署に取材を申し込み、同署から状況を知る住民の紹介も受けるなどして取材を進めた。

 同署によると、管内では1~10月に、自転車が絡む人身事故が90件発生した。事故全体に占める割合は3割を超え、県内ワースト。物損事故も780件起きた。高校も多く、通勤・通学や帰宅時間の夕方が目立つ。同署交通1課の横山由紀子課長は「まだ4年生なのにしっかり問題意識を持っている。大人も見習ってほしい」と話す。

 マップは、立命館大歴史都市防災研究所(京都市)主催の「地域の安全安心マップコンテスト」で入選し、研究所のホームページなどに掲載されている。小橋さんは「誰が被害者や加害者になるか分からない。急いで運転しないでいいよう、時間にゆとりを持ってほしい」と呼びかける。

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