ヨコハマ映画祭の各賞決定 作品賞は「ケイコ 目を澄ませて」 主演女優賞は岸井ゆきのさん、黒木華さん

「ケイコ 目を澄ませて」((C)2022映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS)

 第45回ヨコハマ映画祭の日本映画ベストテンと各賞が決まった。三宅唱監督の「ケイコ 目を澄ませて」が作品賞、主演女優賞は同作の岸井ゆきのさん=秦野市出身、「せかいのおきく」の黒木華さんが受賞した。表彰式と受賞作品を上映する映画祭は来年2月4日、関内ホール(横浜市中区)で行われる。

 「ケイコ 目を澄ませて」は、聴覚障害と向き合いながらプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに生まれた物語。岸井さんが厳しいトレーニングを積んで撮影に臨んだ。選考では「ボクシングは練習の積み重ね。ジムの会長とのミット打ち、ロープ、ロードワーク。その日々に人生をかけた岸井ゆきののまなざしに圧倒された」「下町の空気感をすくい取る映像の見事さが心地よい」などの意見があったといい、高く評価された。

 「せかいのおきく」は、江戸時代を舞台に、貧しい中でも懸命に生きる若者たちを温かく描いた時代劇。モノクロ画面に、黒木さんが演じたおきくの飾らない美しさが光った。

 男性同士の恋愛や親子間の信頼を描いた「エゴイスト」や、横浜ランドマークタワーの爆発シーンで話題となった「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」で真摯(しんし)な演技を見せた鈴木亮平さんが、主演男優賞を受賞した。

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