9人ローマがフィオレンティーナとドローで4位死守…ルカク一発退場に加えてディバラ&アズムンが負傷交代【セリエA】

[写真:Getty Images]

セリエA第15節、ローマvsフィオレンティーナが10日にスタディオ・オリンピコで行われ、1-1のドローに終わった。

リーグ連勝で4位に浮上したローマは、1ポイント差で6位に位置するフィオレンティーナとのホームゲームで3連勝でのトップ4圏内維持を狙った。直近の公式戦3連勝と好調を維持する難敵とのホームゲームでは前節のサッスオーロ戦から先発3人を変更。ボーヴェに代えてペッレグリーニを起用したほか、両ウイングバックをカルスドルプ、スピナッツォーラからクリステンセン、ザレフスキに入れ替えた。

比較的静かな入りとなったが、ホームのローマがファーストチャンスをモノにする。5分、右サイドで押し込んでクリスタンテとのパス交換によってボックス右に抜け出したディバラが左足アウトサイドを使った正確なクロスを供給。これをゴール前のルカクが難なくヘディングで左隅に決めた。

幸先よく先制に成功したホームチームは以降もゲームをコントロール。14分にはカウンターから左サイドに抜け出したザレフスキからの折り返しをボックス中央に走り込んだディバラが左足ダイレクトで合わすが、これは枠の右に外れた。

一方、序盤から難しい戦いとなったフィオレンティーナだったが、17分に最初の決定機を創出。ペナルティアーク付近でボールを持ったボナヴェントゥーラからのショートスルーパスに完璧なタイミングでエヌゾラが抜け出すが、GKとの一対一の絶好機を仕留め切れない。

このピンチを凌いだローマだったが、直後にアクシデント発生。接触プレーの際に左のハムストリングを痛めたディバラがプレー続行不可能となり、25分にアズムンがスクランブル投入された。

前半半ばを過ぎると試合はやや膠着。フィオレンティーナがボールの主導権を握ったが、遅攻の局面では決定機はおろかフィニッシュまで持ち込めず。対するローマもディバラ不在によって最前線のルカクと中盤のリンクの部分でややミスが目立ち、得意のカウンターを完結できない。

その後、前半終了間際にはローマがクリスタンテの右クロスからアズムン、フィオレンティーナがカウンターからボックス付近に持ち込んだボナヴェントゥーラと互いに決定機を迎えたが、いずれの場面でも決め切ることができなかった。

ローマの1点リードで折り返した試合は後半も拮抗。50分にはエヌゾラの見事なキープからボナヴェントゥーラを経由したボールがボックス右に走り込むイコネに渡る。ここで得意の左足でニアを狙ったが、これはGKルイ・パトリシオの好守に遭う。

時間の経過とともに相手を押し返して自分たちの攻める時間も作るローマだったが、後半もアクシデントに見舞われる。前半から足を気にしていたアズムンが自らピッチに座り込んでしまい、62分にエル・シャーラウィの投入を余儀なくされる。さらに、直後の64分にはザレフスキが2枚目のカードをもらって退場となる。

これで数的優位を手にしたフィオレンティーナは相手が守り慣れる前にゴールをこじ開ける。66分、FKの二次攻撃から左サイドのクアメが正確なクロスをゴール前に入れると、攻め残っていたクアルタが絶妙なバックヘッドでのフリックシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

1-1の振り出しに戻したフィオレンティーナはここから畳みかける。カードトラブルのリスクがあるイコネに代えてエースのニコ・ゴンサレスを投入すると、そのエースは投入直後にボックス内でのヘディングシュートでいきなり決定機に絡む。さらに、ボナヴェントゥーラ、カヨデを下げてソッティル、マキシム・ロペスを続けて投入し、中盤のダンカンを右サイドバックに配する攻撃的な布陣にシフトした。

防戦一方のローマはすでに2度の交代機会を使っていたなか、最後の交代機会でペッレグリーニを下げてボーヴェを投入。1-1の状況を維持を意識しつつ、ボックス・トゥ・ボックスMFにカウンターの担い手を託す。だが、この交代直後の87分にはカウンターの守備対応の際にルカクが勢い余ってクアメの脛に足裏を見せたタックルを見舞って一発退場に。残り10分あまりを9人で戦うことに。

7分が加えられた後半アディショナルタイムは猛攻を仕掛けるフィオレンティーナ、専守防衛のローマという構図が明確に。その白熱の攻防ではあの手この手でうまく時計を進めたローマが、何とか耐え抜いて1-1のまま試合をクローズした。

この結果、何とか4位の座を死守したローマだったが、ボローニャ、ナポリ、ユベントスと次節以降の上位対決に向けてルカクとディバラ、アズムン不在での戦いを強いられる可能性が濃厚となる厳しい状況となった。

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