子ども3人家庭では大学授業料・入学金無償

 子ども3人の家庭では1人が扶養から外れるまで3人とも大学や短期大学の授業料、入学金を25年度から無償にするなど、子ども2人や1人家庭への支援とのバランスを著しく欠く制度導入も含む「こども未来戦略案」が11日の子ども未来戦略会議で示された。子ども2人でうち1人が大学在学中という母親は「不公平。怒りが収まらない。これが少子化対策」と税金投入の公平性に疑問を呈した。

 岸田文雄総理は会議で「戦略案では3兆6000億円程度に及ぶ前例のない規模での政策強化の具体案を盛り込んだ」とし「我が国の子ども1人当たりの家族関係支出は16パーセント程度になると見込まれ、OECD(経済協力開発機構)トップのスウェーデンの水準に達し、画期的に前進する」などと語った。

 その内容に関しては(1)児童手当の抜本拡充とし「第3子以降の多子加算の要件を見直すほか、支給回数を年6回に改め、来年中には拡充後の手当が手元に届くようにする。高等教育費支援でも多子世帯の大学・短期大学に通う学生、高等専門学校4・5年生、専門学校に通う生徒について授業料・入学金を無償にする」などと述べた。

 また「ひとり親世帯向けの児童扶養手当拡充や障害を持つ子ども向けの補装具費の所得制限撤廃などの課題に対応し、虐待等により家庭から孤立した子ども・若者の安全な居場所確保や子育てに困難を抱える子どもや家庭へのアウトリーチ支援など新たなニーズにも応えていく。学習支援、生活支援を強化し、全ての子どものチャレンジをしっかり後押しする」と強調した。

 また「出生後の一定期間、育休給付の給付率を手取り10割に引き上げるほか、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を選べる制度を設け、時短勤務を選んだ場合でも給付をもらえるようにする」と語った。(編集担当:森高龍二)

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