少子化・子育て対策で消費税増税はせず、財源は

 3兆6000億円規模の少子化・子育てプラン「子ども未来戦略」の概要が11日示された。子ども3人の家庭では1人が扶養から外れるまで3人とも大学や短期大学の授業料、入学金を25年度から無償にするほか、出生後の一定期間、育休給付の給付率を手取り10割に引き上げ、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を選べる制度を設け、時短勤務を選んだ場合でも給付をもらえるようにするなどを盛り込んでいる。問題は財源確保。

 案では「消費税など、こども・子育て関連予算充実のための財源確保を目的とした増税は行わない」としている。案では「子ども・子育て拠出金など既定の保険料財源や社会保障と税の一体改革における社会保障充実枠の執行残等の活用などで2028年度までに全体として1兆5000億円程度を確保する」。

 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)における医療・介護制度等の改革を実現することを中心に28年度までに公費節減効果について1兆1000億円程度の確保を図る。歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で26年度から段階的に28年度にかけて支援金制度を構築することとし、28年度に1兆円程度の確保を図る」とし、28年度までの財源不足が生じないよう必要に応じて「こども・子育て支援特例公債(こども金庫が発行する特会債)を発行」してカバーするとしている。

 政府は施策実施に必要な法案とともに、こども金庫の創設、支援金制度導入等に関する法案を次期通常国会に提出するとしている。高齢者への社会保障の劣化は否めないもよう。(編集担当:森高龍二)

3兆6000億円規模の少子化・子育てプラン「子ども未来戦略」の概要が11日示された

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