フレンチにも変身!知られざるカズノコの栄養価とお正月にもおすすめのレシピ紹介

おせち料理の定番、カズノコ

二親(ニシン)に感謝し、子孫繁栄の願いを込めたカズノコは、縁起物として有名ですよね。

でもお正月以外に食べる機会があまりない、という方も多いのではないでしょうか。

実はカズノコは栄養面でも魅力がたくさん!

日頃食べないのはもったいない食材なのです。

また、和食のイメージが強いカズノコですが、組み合わせる食材や味付け次第で、中華やフレンチ料理にも変身してしまうのです。

ここではそんなカズノコの栄養成分の特徴と、調理するときのポイント、おすすめレシピを2つご紹介いたします。

こんなにすごい!カズノコの栄養機能性

カズノコには栄養面でこのような特徴があります。

タンパク質が豊富

カズノコはなんと水分を除く栄養成分の75%はタンパク質

ロイシン、バリン、イソロイシン、リジン、トレオニン、トリプトファンなどが含まれていて、筋肉の合成に役立つと考えられています。

カズノコのEPA ・DHAは体に吸収されやすい

健康に良いことで有名なEPA ・DHA。青魚に多い印象がありますが、実は総脂肪酸量に占める含有量は、サンマやマグロを上回るのです。

また、カズノコのEPA ・DHAは水溶性のリン脂質に含まれるため、腸で吸収されやすいという特徴があり、EPA ・DHAを効率よく摂れる「天然のサプリメント」とも言われるほど。

抗酸化成分が豊富

アンチエイジングに欠かせない抗酸化成分も、カズノコには豊富に含まれています。

ルテイン:黄色で、強力な抗酸化作用を持つ。紫外線やブルーライトから目を守る働きをしてくれると言われている。

ビタミンE:抗酸化作用が強く、血管の健康や細胞の酸化を防ぐため、老化防止にも嬉しい成分。

CoQ10:抗酸化作用がありサビ取りをしてくれる成分。

また、カズノコの油は他の魚油に比べて酸化しにくいことが分かっています。

プリン体・コレステロールが少ない

プリン体が多いイメージのカズノコですが、公益財団法人痛風・尿酸財団発行の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、プリン体が「極めて少ない」に分類されています。

また、カズノコの脂質のうち72%はリン脂質、18%が中性脂肪、コレステロールは9%

コレステロールが低いだけでなく、カズノコのEPA ・DHAがコレステロール値を改善してくれると考えられています。

カズノコを美味しく食べる「塩ぬき」の方法

カズノコは火を加えずに食べることができるので、調理は基本的に簡単!

手間いらずなのも魅力の1つです。

ただ1つ、美味しく食べるために唯一手間をかけたいポイントが「塩ぬき」です。

ほのかな塩加減に戻す「塩ぬき」のコツをご紹介いたします。

1. 水1リットルに小さじ1弱の食塩を溶かす

2. 1の塩水に100〜150(6〜10切れ)のカズノコをひたす

3. 3時間たったら、同様に塩水を取り替えてひたし直す

4. 3時間起きに同じ要領で塩水を取り替え、合計12〜15時間ひたして塩ぬきをする

和食にするときは最後に昆布だしを加えて塩ぬきすると、美味しさがグンとアップ!

塩ぬきしすぎて苦味を感じてしまった場合は、少し濃いめの塩水に1〜2時間程ひたすと苦味がとれます。

カズノコのおすすめレシピ

晴れの席にもおすすめのカズノコを使ったレシピを2つご紹介いたします。

海鮮丼

カズノコは基本的に「漬ける、和える、のせる」など、「冷製」でいただくのがおすすめ。

塩ぬきしたカズノコを切ってのせるだけの彩り豊かな海鮮丼は、お正月やお祝いの席も華やかにしてくれるのでおすすめです。

上記の塩ぬき方法の通り、最後に昆布だしを加えて塩ぬきしたところ、風味が豊かになってとても美味しかったです!

カズノコの塩ぬきさえしておけば、あとはお刺身を買ってきてご飯の上に飾り、大葉や海苔をトッピングするだけなのでとても簡単。

華やかなのに簡単なので、お正月など人が集まり慌ただしくなるシーンでもおすすめです。

カズノコのムニエル醤油バターソースあえ

基本の「冷製」での食べ方に飽きてしまったら、少し手を加えてフレンチに変身!

フレンチの巨匠、三國清三シェフのレシピを参考に、スーパーでも手に入る食材で作ってみました。

1. カズノコに米粉(小麦粉)をまぶし、オリーブオイル、バターを熱したフライパンでムニエルにする

2. 別のフライパンにバターを熱し、生姜の千切りを入れ香りが出たら醤油を加え、バター醤油ソースを作る

3. ご飯を盛り、2の醤油バターソースをたっぷりかける

4.その上に1のムニエルを盛り、一口大に切ったきゅうり、人参、セロリなどの野菜をのせる

5. トッピングにオリーブオイルで醤油:オリーブオイル1:3で和えた大葉を散らす

三國シェフのレシピでは、醤油バターソースにハスカップが入ったり、トッピングに大葉の他にもセルフィーユ、イタリアンパセリ、シブレット、クレソンなどの香草が入るなどさらに手が込んでいましたが、日頃冷蔵庫の中にある食材だけでも本格フレンチの味で驚くほど美味しくで感動!

リピートすること間違いなしです。

白身魚のムニエルは我が家の定番料理の1つだったのですが、塩胡椒で下味をつけるのが若干面倒に感じていました。

その点、カズノコはもともと適度な塩味がついているので下味をつけなくて良いのが画期的でした。

すっかりカズノコの魅力にはまってしまった筆者は、今度は蒸したささみやきゅうり、ネギなどと中華ドレッシングで和えてカズノコの中華風サラダを作ってみたいなと思っています。

受験や結婚式にも縁起物のカズノコが活躍!

カズノコは子孫繁栄の意味だけでなく、他にも縁起の良いキーワードがあります。

カズノコ=「カツノコ」

江戸時代の文書によると、カズノコ(鯑)は「カツノコ」とも言われていたのだそう。

勝負に勝つの子」は、受験にも縁起が良さそうですよね!

エンジェル・ウィング

形を壊さずに取り出した1組のカズノコは、天使の羽根の形に似ていることから、カナダでは「エンジェル・ウィング」とも呼ばれているそう。

愛する2人を祝福する結婚式にもぴったりなネーミングですよね。

イベントごとが多い年末年始、そして年明け間も無くやってくる受験シーズン。

ぜひ食卓に縁起物で調理も簡単なカズノコを取り入れてくださいね!

© シーエーメディアエージェンシー/ハニーコミュニケーションズ