救急ヘリ発着場を住民が手作り 観光客が年6万人訪れる、人口13人の島 沖縄県水納島

本部町水納島の住民が完成させた緊急ヘリ用の発着場=15日

 沖縄県本部町水納島の住民が、緊急時に救急ヘリが降りられる離着陸場を手作りで完成させた。15日にNPO法人メッシュ・サポートの塚本裕樹理事長を現場に案内し、住民から集めた5万円と観光客らが募金箱に入れた35万円を寄付した。(北部報道部・松田駿太)

 島の住民は13人なのに対し、観光客は年間約6万人訪れる。年に数回は水難事故などがあり、救急ヘリが出動する。これまで離着陸していたフェリー乗り場の桟橋が改修工事で使えなくなるため、島の中央にある私有地に新たに整備した。

 離着陸場は25メートル四方。住民らが高さ2メートル近くあった草を刈り取り、重機を使って整地した後、芝生を敷き詰めた。費用は50万円。

 町瀬底区水納班の湧川祥班長によると、救急ヘリは観光客の水難事故の利用が多いという。今年8月にも観光客の体調不良でヘリが出動している。「医療体制が島にない中で、メッシュの活動に助けられている。寄付も継続していきたい」と説明した。

 整備の中心となった仲地光雄さん(72)は「少ない人手で大変な重労働だった」と振り返りながら、「冬場は海が荒れて船が出ない日もある。救急ヘリは島の生命線だ」と完成を喜んだ。

 塚本理事長は「長年にわたりメッシュの離島支援活動に応援いただいている。安心して降りられる離着陸場を整備してもらってありがたい」と感謝した。

水納島の救急ヘリ離着陸場

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