インフルエンザ脳症で沖縄県内2人死亡 16歳未満の子 死亡例は2010年以来

(資料写真)病院

 沖縄県は20日、10~11月にかけて県内に住む16歳未満の子どもがインフルエンザA型に感染し、急性脳炎で死亡した事例が2例あったと発表した。いずれも基礎疾患はなく、意識障害の症状が確認された。具体的な年齢や居住地は非公表としている。インフルエンザ脳症は県内で毎年発生しているが、死亡例が確認されたのは2010年1月以来。

 県内の直近(12月4~10日)の1定点医療機関当たりのインフルエンザ感染患者報告数は9.67人。全国で最もインフルエンザが拡大し、流行警報を出した10月以降は減少傾向にあるものの、依然として流行注意報の発表基準(1定点医療機関当たり10人)に迫る流行状況が続いている。

 県はインフルエンザが例年1~2月に流行のピークを迎えることから、手洗いやマスク着用、予防接種といった感染予防策を取るよう呼びかけた。

 インフルエンザは重い合併症として細菌性の肺炎を引き起こしたり、インフルエンザ脳症と呼ばれる重度の中枢神経症状を起こす急性脳炎を発症したりすることがある。インフルエンザ脳症は発熱の0~1日後にけいれんや意識障害といった神経症状がみられ、急速に進行し、数日で死に至ることがある。

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