税金原資の政党交付金 自民に40億円

 企業、団体が購入する自民党派閥の政治資金パーティー券を利用したキックバックでの裏金つくり疑惑と政治献金規制法違反(不記載など)容疑が噴出しているが、そもそも企業団体による献金が癒着や政治とカネ問題の土壌になることから、これを禁止する代替として設けられた政党交付金制度が、いまだに初期目的(企業団体献金の全面禁止)を達成しないまま継続され、20日には自民党に対しても規定通り39億7752万7500円の税金が原資の政党交付金が交付された。

 政党交付金制度は「リクルート事件」が契機で企業団体献金を禁止する代わりに、赤ちゃんから寝たきり老人まで、国民1人当たり年間250円負担の換算で算出している。今年の交付総額は315億3651万9000円。毎年4月、7月、10月、12月に4回に分けて交付されている。

 このうち、20日には78億8412万9750円が交付された。内訳は自民39億7752万円のほか、立憲17億814万円、日本維新8億3786万円、公明7億1717万円、国民2億9331万円、れいわ1億5492万円、みんなでつくる党(前・政治家女子48党)8360万円、社民6504万円、参政4623万円。

 日本共産党は資格があるが「自分の収めた税金が支持しない政党に強制的に回される『強制献金制度』で憲法が保障する思想・信条の自由(憲法19条)に反するもの。制度には反対する」として交付申請をしていない。

 橋下徹弁護士(元大阪府知事)は自民党に対し「これだけ組織的な裏金問題を起こしている自民党に約40億円の税金が配分される。冗談やろ?自民党は全額受け取り辞退するんやろうな。普段から道徳や日本人たる者を語ってるんやから、しっかり辞退すべき」とXでつぶやいた。共感者も多いだろうが、国民は「企業団体献金の抜け道をなくすこと」を望んでいる。(編集担当:森高龍二)

政党交付金制度は「リクルート事件」が契機で企業団体献金を禁止する代わりに、赤ちゃんから寝たきり老人まで、国民1人当たり年間250円負担の換算で算出している

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