トゥンジービーサ(冬至寒さ) 本格的な冬が来た
きょう12月22日は冬至です。12月下旬のトゥンジー(冬至)の頃の寒さを、沖縄ではトゥンジービーサ(冬至寒さ)と表現しています。前回ご紹介したフーチェビーサ(ふいご寒さ)が寒さの始まりの頃とすると、トゥンジー(冬至)の頃は第2陣の寒波が押し寄せて、南の島に本格的な冬が到来します。
トゥンジーソーグヮチ(冬至正月)にはジューシーを食べる
沖縄には三つのお正月があると言われています。新暦のお正月と旧暦のお正月、そしてトゥンジーソーグヮチ(冬至正月)です。
中国では古くからの習わしとして、旧暦10月の陰の気の時期から旧暦11月の冬至を境に陽の気が訪れるのを「一陽来復(いちようらいふく)」と言っています。太陽の力が復活する様子から、不運の後に幸運に向かう意味として伝えられています。
沖縄でも一年の節目、始まりとしてトゥンジーソーグヮチと呼ばれており、この日は豚肉や芋などを具材にして炊き込んだジューシー(炊き込みご飯)をいただきます。(ジューシーには雑炊風もあります)
トゥンジー(冬至)にいただくジューシーをトゥンジージューシー(冬至の炊き込みご飯)といって、厳しい冬を乗り切るため栄養補給の食事として考えられてきたそうです。
昼の長さが最も短い日
12月22日ごろの冬至の時期は、太陽が最も低い位置を通過するため、夏至の頃(2023年の夏至は6月21日)に比べて昼の長さが3時間も短くなっています。また、強い寒気が押し寄せる時期ですので、これまでよりも寒さが一段階アップします。最高気温が20℃を下回る日は、沖縄の人にとっては真冬並みの寒さとの闘いになります。
日の出・日の入りとの関係
昼の時間が短い冬至ですが、日の出が最も遅く日の入りが最も早いわけではありません。日の入り時刻が最も早いのは冬至より前の12月上旬にかけてとなります。一方、日の出時刻が最も遅くなるのは冬至よりも後ろの1月下旬にかけてとなります。ちょうど中間ごろに当たる冬至が、日の出時刻から日の入り時刻までの昼の長さが最も短くなります。
今回の寒さのピークは23日(土)にかけて
冬至のきょう22日は、暦通りトゥンジービーサ(冬至の寒さ)となっています。今朝の最低気温は、国頭村の奥(おく)で9.9℃、那覇で13.5℃を観測しました。県内ほとんどの地域で今季の最低気温を更新しています。今回の寒さのピークは23日(土)にかけてとなりそうです。ただ、週明けの25日(月)にかけても平年の気温を下回る寒さが続く見込みです。
〈大陸の高気圧の張り出し〉
22日(金)の実況天気図を見てみますと、大陸から高気圧が張り出し、冷たい空気が沖縄地方に流れ込んでいます。沖縄付近に出ている蜂の巣状の雲が寒気に伴う雲です。この雲が出ている間は沖縄では真冬並みの寒さが続きます。
〈クリスマスのお買い物はお早目に〉
23日(土)は沖縄本島や先島諸島で雨が降り出し、24日(日)の午後はしっかりと雨が降りそうですので、お買い物などの外出は早めの方が良さそうです。
冷たい北寄りの風も強まるでしょう。暖かくしてお過ごしください。
崎濱綾子
気象予報士/防災士(株式会社ウェザーマップ)
沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005~2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月~金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風(カーチーベー)。