エンゼルスとジャイアンツがスネル獲得を狙う CY賞2度の左腕

山本由伸の争奪戦には加わっていなかったとみられるエンゼルスだが、大物投手の獲得を諦めているわけではないようだ。「サンフランシスコ・クロニクル」のスーザン・スラッサー記者によると、大谷翔平との再契約に失敗したエンゼルスは、今季2度目のサイ・ヤング賞を受賞したブレイク・スネルの獲得を「最優先事項」としているという。また、大谷と山本の獲得に失敗したジャイアンツもスネル獲得に興味を示しているようだ。この2チームを中心に、争奪戦が展開されていくことになるかもしれない。

移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」は「スネルを獲得することは、この2チームにとって近年の補強方針とは異なるものだ」と指摘する。エンゼルスは複数年契約で有力投手の獲得に動くことが少なく、昨オフにタイラー・アンダーソンと3年契約を結んだものの、これは2012年オフにジョー・ブラントンと2年契約を結んで以来、実に10年ぶりのことだった。2019年オフにゲリット・コールの獲得に動いたことはあるが、スター野手との大型補強を好む傾向があるアート・モレノ・オーナーが大物投手の争奪戦に加わるのは非常に珍しい。

ジャイアンツもファーハン・ザイディ編成本部長のもとでは先発投手と3年を超える長期契約は結んでいない。2021年にオールスター・ゲーム選出を果たしたケビン・ゴーズマンがFAとなったときも長期契約で引き留めようとはしなかった(ゴーズマンは5年1億1000万ドルでブルージェイズと契約)。先発投手の補強は最長でも3年契約、ほとんどが1~2年の契約であり、ザイディ編成本部長が長期契約確実のスネル獲得に乗り出すのは非常に珍しいケースと言える。

エンゼルスは大谷と再契約できなかったことで浮いた資金があり、ジャイアンツも大谷と山本の獲得に失敗したことで補強資金は余っているため、ペイロール面ではスネル獲得への支障はないとみられる。あとはスネルが移籍先を選ぶ際に何を重視するか。シアトル出身ということもあり、地元マリナーズでのプレーを希望しているようだが、マリナーズが獲得に動いている様子はなく、スネルは届いたオファーのなかから最も自分の希望に合うチームを選択することになるだろう。

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