世界的デザイナー高田賢三の最後の作品オペラ『蝶々夫人』`24年夏@東京文化会館

`20年10月新型コロナ・ウイルス感染による合併症でパリ郊外で惜しくもこの世を去った世界的デザイナー髙田賢三。
東京二期会は、髙田の最後の作品となった衣裳によるオペラ『蝶々夫人』を、 `24年7月18日〜21日に東京文化会館大ホールにおいて上演。演出は宮本亞門。
このプロダクションは、`19年に東京でワールドプレミエ公演を行い、その後、ザクセン州立歌劇場(ゼンパーオーパー・ドレスデン)、サンフランシスコ歌劇場での公演を経て、 今夏、東京に凱旋。指揮はダン・エッティンガー。

宮本亞門

髙田氏は、生前「『蝶々夫人』は私にとって憧れのオペラ」「“蝶々さん”でオペラの真の魅力を知った」と語っており、その衣裳デザインが初めて舞台に降り立ったのは2019年10月東京。ミュージカル、ストレートプレイだけでなく、オペラ演出においても、ドイツ、オーストリア、フランス、アメリカとグローバルな活躍 をみせる宮本亞門の演出で、髙田氏のほか世界的クリエイターが集結して、ワールドプレミエ(新制作世界初演)を迎え、大きな評判に。

その後、2022年4月には、ドイツの名門オペラハウス、ゼンパーオーパー・ドレスデンで欧州プレミエ、翌年6月にはサンフランシスコ歌劇場で北米プレミエが果たされ、各地で絶賛。
そして、2024年7月、再び東京に! 指揮は、東京フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者のダン・エッティンガー。東京二期会のキャストも、全世界で100公演以上にわたり蝶々さん役を重ねてきた国際的ソプラノ大村博美の題名役をはじめ万全の布陣で、凱旋公演をおこなう。「憧れ」と語っていた『蝶々夫人』の衣裳は、世界のファッション界に数多の業績を残した氏の、最後の仕事のひとつに。

オペラ『蝶々夫人』は、日本の⻑崎を舞台とした感動の名作、イタリアオペラを代表する大作曲家ジャコ モ・プッチーニの傑作のひとつで、1904年ミラノ・スカラ座で初演。時代は明治初期。没落した藩士の娘・蝶々さんとアメリカ海軍士官・ピンカートンとの悲恋が描かれます。日 本⺠謡の旋律などが随所に取り入れられた色彩豊かなプッチーニの音楽は、とてもドラマティックかつ抒情的で、 オペラ初心者の方でもなじみやすい作品。イタリアオペラにして、日本の文化風土との融合を 豊かに感じられる貴重な作品であると同時に、その物語のテーマは普遍的で、蝶々さんたちの、愛を信じることの強さと苦悩には、多くの人が深い感動を覚えるはず。2024年は作曲者プッチーニの没後100周年。
また、2024年7月27日(土)、衣裳デザイナー髙田賢三の生まれ故郷、 姫路市でも『蝶々夫人』の公演が決定。会場となる姫路市文化コンベンションセンター(アクリエひめじ)は姫路市の劇場文化の中心地。大ホール、中ホール で使われる緞帳はともに髙田賢三デザインによるもの、世界的デザイナーゆかりの地 でも開催される『蝶々夫人』となる。

ものがたり
舞台は⻑崎。港を見下ろす丘の上に十五才の少女、蝶々さんの家があった。没落した武家の娘である蝶々さんは、 今は芸者として暮らしていた。そこに、若いアメリカ海軍士官ピンカートンが現れ、蝶々さんに優しく愛を語った。 辛い境遇にいた蝶々さんは、救われる気持ちで彼に惹かれて、二人は結婚式を挙げるのだった。 やがてピンカートンは日本での配属を終えて帰国する。蝶々さんはピンカートンの帰りを信じて待っていた。 そして、三年の月日が流れた……

概要
ザクセン州立歌劇場(ゼンパーオーパー・ドレスデン)、
デンマーク王立歌劇場およびサンフランシスコ歌劇場との共同制作 東京二期会オペラ劇場
プッチーニ『蝶々夫人』
オペラ全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
東京文化会館 大ホール 2024年7月18日(木)18:30、19日(金)14:00、20日(土)14:00、21日(日)14:00

指揮:ダン・エッティンガー
演出:宮本亞門
衣裳:髙田賢三
出演:
配役 7月18日(木)/20日(土) 7月19日(金)/21日(日)
蝶々夫人 大村博美 髙橋絵理
スズキ 花房英里子 小泉詠子
ケート 杉山由紀 石野真帆
ピンカートン 城宏憲 古橋郷平
シャープレス 今井俊輔 与那城 敬
ゴロー 近藤圭 升島唯博
ヤマドリ 杉浦隆大 小林由樹
ボンゾ 金子宏 三戶大久
神官 大井哲也 菅谷公博
装置:ボリス・クドルチカ
照明:喜多村 貴
映像:バルテック・マシス
美粧:柘植伊佐夫
合唱指揮:粂原裕介
演出助手:澤田康子、彌六
舞台監督:村田健輔
公演監督:永井和子
公演監督補:大野徹也
支援:宗次未来基金
主催:公益財団法人東京二期会

公式サイト:http://www.nikikai.net/index1.html

舞台写真:三枝近志

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