エキスパートが選択した2機種とは?NEWロックアイヴォルテックスを実釣インプレ!

TENRYUのロックフィッシュ専用ロッドシリーズ「ロックアイヴォルテックス」がリニューアルを果たした。開発時にプロデュースを担当したアングラーの1人、東北のロックフィッシュマスター佐藤さんに、その進化点と使い分けについて、実釣をもとに解説をお願いした。

●文:ルアーマガジンソルト編集部

アングラープロフィール

― 佐藤 雄一(さとう・ゆういち)

1962年宮城生まれ、石巻市在住。テンリュウのテスターを務めるアングラー。ロックフィッシュトーナメントにも参戦するなど、そのテクニックには定評がある。ソルトウォーターだけでなく、トラウトにも精通。地元のフィッシング倶楽部「石巻シーバスフリーク」の代表も務めている。

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【NEWロックアイヴォルテックスの詳細記事】

佐藤さんの主戦力は、ロックアイヴォルテックス RV9112S-X

東北のロックフィッシュトーナメントで、トーナメンターとしてバリバリに活躍する佐藤さん。だからこそ、ロッドに対する要求もハードルが高い。

佐藤「磯場でも、より広範囲に探る上で、長尺ロッドの優位性は欠かせない要素です。その中で生まれたのが、ロックアイヴォルテックスのシリーズ中で最も長いレングスを持つ、RV911S-Xです」

佐藤さんが頼りにするのが、ロックアイヴォルテックスRV9112S-X。

佐藤「もっと長くしようと思えば長くできるんでしょうけど、ただ、トーナメントのレギュレーションで、ロッドの長さは10ft以下というルールがあります。だから、ギリギリの9ft11inという設定となっています」

レングスも、トーナメントを意識した仕様ということだ。ただ、広範囲を探るといっても、ロックフィッシュはどこにでもいるわけではなく、狙ったスポットをしっかりと攻略する必要がある。

佐藤「いかに東北と言えども、足元付近の狙いやすいスポットでイージーに釣れるような状況はまれです。トーナメントだと、みんなが攻めきれてないような沖のピンスポットにリグを送り込み、タイトに狙うような釣り方が必要とな場合もあります」

当日は、ロックフィッシュゲームの定番、フリーリグを主体に展開。

佐藤「その点、このロックアイヴォルテックス RV9112S-Xは、キャスタビリティも抜群ですし、ブランクス自体のブレも少なく狙った場所へとリグを送り込めるアキュラシー性能も高い…おっ、きましたよ!」

実釣しながら解説してくれる佐藤さんに、早速のバイトが! かなり沖の岩礁帯付近の海藻エリアをピンスポットで狙いバイトを引き出した。途中、根に潜られるようなシーンもあるが、百戦錬磨の佐藤は微塵も焦らず対応する。

ロックアイヴォルテックスRV9112S-Xの長尺レングスを活かして、根をかわしてファイトする佐藤さん。

佐藤「ファイト中にスタックしても、慌てる必要はありません。竿がちゃんと仕事をしてくれますから、ちょっと高くロッドを保持して軽くテンションを掛けて待てば、根から魚を離せます。サイズはちょっと小さいかな」

主導権を譲らず、確実に寄せてくるファイトで難なくランディング。

佐藤「300g程度かな。あのポイントでこのサイズかぁ。でも、ひとまず安心できる1尾ですね」

このサイズだと、ロックアイヴォルテックスRV9112S-Xの本領発揮とはいかないが、しかし、長いレングスを活用して根をかわすような展開は、この機種の特性をいかしたファイトだと言えるだろう。

佐藤「魚のサイズは小さかったですけど、釣ってて楽しいんですよね、ロックアイヴォルテックスは。その一方で、50cmを超えるような大型サイズでも、しっかりと対応できる。これは、C・N・T(カーボンナノチューブ)を新たに採用した、曲がりながらも粘ってくれるブランクスの特性だと言えますね」

小型のサイズでも楽しめるし、大型サイズがヒットしても余裕を持って対応できる。この懐の広さが、新しいロックアイヴォルテックスの特徴の1つだと言えるだろう。

あと、佐藤さんは、ロックアイヴォルテックスの進化点として、柔軟性を持ちつつも、シャープな使用フィールを併せ持つティップセクションの特性も特筆すべき点があると言う。

佐藤「フリーリグなどを遠投してロックフィッシュを狙う場合、避けられないのがスタックです。岩場でシンカーがハマった際でも、新しいロックアイヴォルテックスのティップなら、ある程度張りのあるシャープなアクションで、パンパンッと緩めたり弾いたりを繰り返すことで外しやすくなります。もしティップが、単に柔軟なだけだとスタックがどんどんと深くなる。この点は、新しいロックアイヴォルテックスで私が感じる大きなメリットの1つだと言えます」

ストレスなく釣りを展開できるかどうかも、ロッドの求められる重要な要素。リニューアルしたロックアイヴォルテックスは、ロックフィッシュトーナメンターも納得の仕上がりとなっているようだ。

この後、ポイントを大きく移動。ロックアイヴォルテックスRV9112S-Xを使用し、見事サイズアップも達成!

佐藤「今年はちょっとシーズンが遅れていて、海がまだ暖かい。もう少し水温が下がれば、本格的なロックフィッシュゲームが楽しめるようになると思います。そうなると、このロックアイヴォルテックス RV9112S-Xも大活躍すると思います」

― ロックアイヴォルテックスRV9112S-X

超遠投ロングモデル28g前後のリグを中心に扱いやすく、50gまでのリグをフルキャストが可能。手付かずのスポットを大遠投で攻略するために開発されたロングロッドだ。より飛距離を伸ばすために極細PEラインに対応するガイドに設定。軽量、高感度、粘り強いブランク特性を生かして沖に潜む大型根魚に挑むことができる。●全長:3.02m(9ft11in) ●継数:2 ●調子:レギュラー ●仕舞寸法:155cm ●ルアーウェイト:MAX50g ●ライン:PE2.5号 ●自重:159g

ロックアイ ヴォルテックス RV9112S-X[TENRYU]

アナザーチョイス!磯の近距離戦ではロックアイヴォルテックスRV882B-HH選択!

ロックアイヴォルテックス RV9112S-Xの次に使用頻度が高かったのが、ロックアイヴォルテックス RV882B-HHだ。

佐藤「例えば、足元からしっかりと根が入っているようなシチュエーションで、ロックアイヴォルテックスRV9112S-Xほどの長さが必要ない、手返し良く攻めたい、という場合には、ベイトモデルとなるロックアイヴォルテックスのRV882B-HHを選択します」

10ft近くあるロックアイヴォルテックス RV9112S-Xほどではないが、ロックアイヴォルテックス RV882B-HHもベイトモデルの中では最長レングスを誇る。複雑な地形の岩礁帯を攻めるような場合にも、長さを生かしたスタック回避などで活躍してくれる。

佐藤「組み合わせているラインはフロロカーボンの16lbで、使用していのは21gのシンカーをセットしたフリーリグです。根をタイトにネチネチと攻めてバイトを引き出すような展開では、このロックアイヴォルテックスRV882B-HHは欠かせない存在ですね。HHとパワーも十分なのでヒットしてからは一気に、主導権を譲らず、パワーファイトでランディングまで持ち込むことができるロッドです」

佐藤「ボトムの地形に合わせてリグを丁寧に操作する上で、ベイトタックルのメリットは大きい。スピニングタックルでは捕りきれない魚を、ロックアイヴォルテックス RV882B-HHでしっかりと拾っていくというイメージです。また、長いレングスを生かして、広範囲を探ることも可能ですし、1本あるとカバーできる範囲が広がるモデルですね」

今回の実釣インプレッションでは、残念ながらこのロックアイヴォルテックス RV882B-HHで魚がヒットすることはなかったが、しかし、佐藤さんのロックフィッシュゲームにおいて、不可欠な機種であることは間違いないだろう。

【ロックアイヴォルテックス RV882-HH】

遠投&パワーファイトモデル14~35gのリグが扱いやすく、優れたボトム感知能力とスイミング系リグにも対応するアクションが魅力。ヘビータックルによる遠投と強引なファイトで勝負に挑むパワー重視のゲームが実現できる。沖に広がる海藻帯や消波ブロック帯などヘビーカバーを安心して撃つことができる一本だ。●全長:2.64m(8ft8in) ●継数:2 ●調子:ファスト ●仕舞寸法:136cm ●ルアーウェイト:MAX45g ●ライン:PE2.0号 ●自重:150g

ロックアイ ヴォルテックス RV882B-HH[テンリュウ]

ロックアイヴォルテックスの各機種の解説を動画で視聴


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