過去最高ずくめの「餃子の王将」人気はどこまで続くのか

神戸近郊の王将の店舗

中華料理チェーン店「餃子の王将」を展開する王将フードサービス<9936>で、過去最高が続出している。

同社は2022年2月から2023年11月まで、売上高が毎月前年同月比で過去最高を更新しており、2024年3月期第2四半期では、単月の売上高が2023年5月、7月、8月と3度過去最高を更新した。2023年の冬季賞与の一人当たりの平均加算額も過去最高となった。

行動制限が解除され来店客数が増えているところに、値上げの効果が加わったのが好調の要因だ。

同業の「日高屋」を運営するハイデイ日高<7611>も、2023年3月から8 月まで売上高が毎月過去最高を更新、9月以降も高い伸びを示しており、中華料理の根強い人気がうかがわれる。業界最大手の王将の過去最高はどこまで続くだろうか。

22カ月連続で過去最高を更新

王将フードサービスは、2022年に行った値上げ後も来店客数が増加しており、直営既存店の2024年3月期第2四半期(2023年4月-9月)の平均の来店客数は前年同期比106.3%、客単価も103.2%と好調に推移した。

その結果、直営既存店の売上高の平均伸び率は109.7%と10%近い伸びを記録。その後、10月(前年同月比105.5%)、11月(同109.9%)も陰りは見えず、22カ月連続で過去最高の更新が続いている。

こうした情勢を踏まえ同社では2023年の冬季賞与を、労働組合から要求のあった額に20%を上乗せしており、上乗せ額(9万2755円)としては過去最高となった。

すでに2024年3月期の業績予想を上方修正しており、売上高は期初予想よりも30億円ほど多い1013億9400万円(前年度比9.0%増)に、営業利益は同11億円ほど多い93億円(同16.5%増)にそれぞれ引き上げた。

2024年3月期はコロナ禍前の2019年3月期を、売上高で24%ほど、営業利益で34%ほど上回ることになる。

同社はコロナ禍の中、2021年3月期に減収減益となったが、その後は回復軌道をたどっており、2023年3月期にはコロナ禍前の水準を越え、2024年3月期は3期連続の増収増益となる見込みだ。

2024/3は予想

120%前後の高い伸びを維持

ハイデイ日高の2024年第2四半期(2023年3月―8月)の既存店の売上高の平均伸び率は、前年同期比133.2%で、いずれの月も同月の過去最高を更新した。

同社は、2024年第2四半期以降の売上高については、過去最高か否かは公表していないが、9月(前年同月比125.8%)、10月(同119.6%)、11月(同119.9%)はいずれも、120%前後の高い伸びを維持している。

中華料理店業界での過去最高は、まだまだ続きそうな情勢だ。

文:M&A Online

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