岩手県、クマの指定管理求める 環境省検討会で被害防止策報告

 【東京支社】環境省は26日、クマによる人身被害の多発を踏まえ、専門家による検討会の本年度の初会合を開いた。岩手県の担当者も出席し、国の支援を受けて捕獲しやすくなる「指定管理鳥獣」への追加の必要性を訴えた。

 検討会では▽出没要因と被害対策▽指定管理鳥獣の指定▽出没時の対応―など論点を整理し、同省担当者が被害状況を説明。北海道と本州の全地域で分布が拡大しているとし、ツキノワグマに限ると10月末時点で本県と秋田県が全体の出没件数の約4割を占めているとした。

 県自然保護課の酒井淳総括課長は、2016年度以来の警報を出して注意喚起したほか、市街地での出没を想定した実動訓練などの取り組みを紹介。市町村へのセンサーカメラの貸与など被害防止対策を進めていると報告した。

 検討会は年度内に計3回開き、来年度以降の被害防止に向けた対策方針を取りまとめる予定。

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