新たな魅力発信を 清川に「地域おこし協力隊」

 人口減少の抑止に向けて民間の力を借りようと、清川村は1日、国が導入した制度「地域おこし協力隊」の隊員2人を委嘱した。県内での協力隊採用は初めてで、地域の観光資源を活用した魅力発信などに取り組む。隣接する愛川町もシティプロモーションを担当する任期付き職員の選考を進めており、取り組みが本格的にスタートする。

 地域おこし協力隊は、総務省が2009年度に創設した制度。都市部から移住して地場産品の開発・販売・PRなどに携わる人材を確保する。活動期間は1〜3年で、採用自治体に対して隊員1人当たり年間400万円を上限に財政支援を行う。

 清川村は人口減対策の一環で策定した地方創生総合戦略を実行するに当たり、3〜4月に移住・交流推進機構のホームページなどで募集。県内外から10人の応募があり、5月に選考して男女2人の採用を決定した。

 選ばれたのは川崎市麻生区、広告PR業の北條芳夫さん(68)と同市多摩区、元イタリア料理店員の稲葉智美さん(31)。当面の採用期間は来年3月までとしている。

 委嘱業務は(1)昨年11月にオープンした「道の駅」の運営に関わる特産品の開発、イベント企画(2)宮ケ瀬観光振興のための情報発信、イベント企画(3)移住・定住促進に向けた婚活イベント開催、シティプロモーション−など。

 北條さんは「田舎暮らしへの憧れや地域活性化に関心があった。PRや宣伝のスキルを生かしたい」、稲葉さんは「自分が栽培した野菜で料理を提供するのが夢。ここで店を開業できたらよい」と、それぞれ抱負を語った。

 1日に村役場で行われた委嘱式で、大矢明夫村長は「住民目線ではなく、違う角度から現状を分析、村の魅力を再発見して職員と一体となって取り組んでほしい」などと激励した。

 一方、愛川町は移住促進などのPRを強化するため、専門的な知識経験を有する2年間の任期付き職員1人を5月に募集。8人応募があり、8月までに選考を終えて採用する予定だ。

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