首里城正殿を格調高く装う「龍頭棟飾」 復活へ辰年も準備着々 2025年夏ごろにも取り付け

 2024年の干支(えと)は辰(たつ)。首里城正殿を格調高く装う「龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)」の制作が南城市玉城の作業倉庫で着々と進んでいる。瓦屋根の両端にお目見えする予定の龍頭棟飾は、全長約3.5メートル、高さ約1.9メートル。ジグソーパズルのようにそれぞれ200個ほどのピースに分割して土を焼き、屋根で組み合わせる。唐破風(からはふ)正面と合わせ、計3カ所に設置する。

 昨年12月下旬に作業倉庫を訪れると、陶芸や彫刻、伝統建築など各分野の職人たちが、石膏(せっこう)でできた型に県産の陶土をたたき込んで形を整える「型起こし」の作業を黙々と続けていた。

 龍頭棟飾のほかに、正殿の屋根4カ所に取り付ける「鬼瓦」も並行して制作している。

 成形した各ピースは自然乾燥させた後、2月ごろから素焼きに入り、釉薬(ゆうやく)を塗って本焼きへと移る。首里城正殿への取り付けは2025年夏ごろを目指す。

 現場をまとめるのは、平成復元時の制作者で、県内の公共建築で石彫制作も手がける陶芸家・伝統工芸研究者の山守隆吾さん(71)。「僕のイメージの中では既に正殿の上に龍が乗っかっている。丁寧に着実に作業を進めたい」と語った。(社会部・城間陽介)

 

(写図説明)首里城正殿の屋根を飾る「龍頭棟飾」の模型=27日、南城市玉城糸数(金城健太撮影)

首里城正殿の屋根を飾る「龍頭棟飾」の模型=27日、南城市玉城糸数(金城健太撮影)

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