三陸鉄道開業40年、技術と経験を後輩へ ベテラン部長、誓い新た

開業40周年、東日本大震災後の全線復旧から10年の節目を迎える三陸鉄道の社員。1期生で、辰年生まれの米沢務さん(中央)は「技術と経験を伝え、これからも列車を走らせたい」と決意を新たにする=宮古市宮町、三陸鉄道車両基地

 2024年が幕を開けた。本県沿岸をつなぐ三陸鉄道(宮古市、石川義晃社長)は開業40年、東日本大震災後の全線復旧から10年を迎える。この記念イヤーに、運行部長の米沢務(つとむ)さん(59)は辰(たつ)年生まれの年男となった。三鉄1期生のベテランは「40年の技術と経験を次代に伝え、これからも列車を走らせたい」と誓い新た。度重なる困難を乗り越えた「リアスの軌跡」の未来を描く。

 「安全が最優先。お客さまが喜ぶ快適な運転を」。同市宮町の運行本部。この道一筋40年の「職人」がイロハを教える。長年、運転士として最前線に立ち、震災後は候補生の養成係を兼ねて25人の免許取得を支えてきた。

 三鉄が1984年に生まれてから、記憶に深く刻まれた出来事がある。25歳で運転士になって間もない94年2月。現大船渡市三陸町の甫嶺駅付近で、2両編成の列車が突風で横転する事故が起きた。社員教育を含め、安全管理を強めるきっかけになった。

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