【2023年で引退した名選手②】引退理由は「子犬」!? 地元で愛されたエースが200勝達成で幕引き

2022年にプエルトリコが生んだ名捕手ヤディアー・モリーナがマスクを脱いだ。そのモリーナとメジャー史上最多となる328試合で先発バッテリーを組んだ盟友、アダム・ウェインライトも引退が噂されていたが、オフにチームと再契約を結ぶと、同時に2023年シーズン限りでの引退を発表した。それから1年、カージナルスで一時代を築いた名投手もユニフォームを脱いだ。

アダム・ウェインライトは2000年ドラフト1巡目(全体29位)で、子供の頃からファンだった地元・ジョージア州のブレーブスから指名を受けて入団。しかし、マイナーで徐々に頭角を現していた2003年オフにカージナルスへトレードとなり、2005年9月のメッツ戦に3番手として登板し、メジャーデビューを飾った。最初に対戦したのは松井稼頭央。その松井に安打を許し、その後3ラン本塁打を浴びるなど、ほろ苦いデビューとなった。

その後は中継ぎや抑えで活躍し、2007年から先発に転向すると、最多勝のタイトルに2度輝くなどカージナルスのエースとして君臨し、2022年シーズン終了までに通算195勝を挙げた。そして、現役続行となった2023年、日本時間9月19日のブリュワーズ戦で通算200勝を達成し、その試合が現役最後の登板となった。

実はその後、登板こそなかったが、代打で2度出場している。ウェインライトは高校時代に打者で打率.515を記録するなど、バッティングも得意としており、初勝利を挙げた2006年のジャイアンツ戦ではメジャー初打席初球本塁打を放ち、2017年にはシルバースラッガー賞を受賞している。

さらに、ウェインライトは野球だけではなく、歌も上手い。2023年シーズン開幕戦では試合前の国歌独唱でその美声を披露。引退後はカントリー歌手を目指すという。

10月26日に正式に現役引退が発表されたウェインライトだが、10月31日に自身のSNSに投稿した、カージナルスへ提出した退職書類に書かれていた引退理由は「子犬を飼うから」だった。

People keep asking me if I’m officially retired. Well, here is my official retirement paperwork that we turned in to the @Cardinals and @MLBPA. Retired? Absolutely, for all the best reasons. Will send more later. Love y’all. pic.twitter.com/yxCvgFjFdz

— Adam Wainwright (@UncleCharlie50) October 30, 2023

以前から「引退したら子犬を飼おう」と家族と約束していたウェインライト。引退セレモニーでは子犬がプレゼントされ、妻と5人の子供たちとともに大喜びした。

18年間の長きにわたってセントルイスのファンに愛され、これからは家族と子犬との時間を優先しながら、自身の次のステージであるカントリー歌手としての道を歩むウェインライト。ステージが変わっても、ファンから愛されるウェインライトはきっと変わらないだろう。

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