安芸高田市長・石丸伸二氏登場!市議会との対立の裏にある2つの狙いとは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年12月26日に公開された動画ではゲストに安芸高田市長の石丸伸二氏をお招きし、市議会と応酬を繰り広げる狙いについて語っていただきました。

石丸氏の狙いとその効果とは?

【このトピックのポイント】
・二元代表制の地方政治で首長と議会が対立するのは普通のことであり本来の姿
・市議会との対立を発信することは市の生き残り戦略の一環
・安芸高田市の魅力は「毛利元就」「神楽」「サンフレッチェ広島」

石丸氏のプロフィールは以下の通りです。

市長就任前は三菱UFJ銀行に勤めていた石丸氏。アナリストとして初代ニューヨーク駐在に赴任し、年間100日近くは出張という多忙なスケジュールでアメリカ大陸各国の経済を分析・予測していたとのことです。

今回は以下の質問からいくつかピックアップして石丸氏に回答していただきました。

議会と争うメリット・デメリットは?

石丸氏と言えば、安芸高田市で市議会と激しく対立している市長としてご存じの方も多いのではないでしょうか。

そのような姿勢の狙いとして、石丸氏は2つのポイントに言及します。

1つは二元代表制の本来の姿を市民、ひいては全国民に理解してほしいということです。地方政治は首長と議会議員をそれぞれ選挙で選ぶ二元代表制が敷かれており、石丸氏は「そもそもが構造としては対立している」とコメント。

対立しているからこそ対話や議論が生まれ、よりよい政策作りにつながるとし「それに気づいてもらうためにあえて目立つ形で発信している」と語りました。

もう1つは安芸高田市の知名度を上げること。市議会との対立を発信することで話題性が生まれ、安芸高田市が認知されることで市の活力につなげる狙いがあるとのことです。

石丸氏「それしかこの規模の自治体が生き残る道はないなと思ったので、市の生き残り戦略の1つとして使っています」

石丸市政と安芸高田市議会の対立構造が注目されるようになったきっかけは、市議の居眠り問題でした。石丸氏は2020年8月の市長就任後、9月の初めての議会でいびきをかいて居眠りをしている市議を発見。

かねてから市の生き残り戦略を考える中で「これだ!」とひらめくものがあったとのこと。これを最大限活用しようという石丸氏の意図的なものがあったようです。

その影響もあって、現在安芸高田市議会の定例会の傍聴席は満席になり、市外・県外からも人が来るそうです。ライブ配信の同時接続者数は2000から3000になり、地方議会では異例の数字を叩き出すようになりました。

石丸氏「ある意味今は日本の1700の自治体においてナンバーワンでオンリーワンの存在になれました。今日のようなお話もいただけて、かなり有効活用できてるんじゃないかと思います」

石丸氏は市議会だけでなく、メディアとも応酬していることで知られていますが、そこにも同じ狙いがあると石丸氏は語ります。

石丸氏によると、地方紙と行政の間には「妙な持ちつ持たれつの関係がある」とのこと。両者の対等な関係は崩れ、緊張感が失われているという問題意識が石丸氏の中にありました。

この問題は、政治とカネの問題にもつながっていると石丸氏。「メディアが本来の監視機能を果たしていたらここまでになっていない」とコメントしました。

安芸高田市の魅力は?

安芸高田市は広島県のほぼ中央に位置し、広島市に隣接する人口約2万5000人の自治体です。

その魅力について、石丸氏は「毛利元就」「神楽」「サンフレッチェ広島」の3つに言及します。

毛利元就は中国地方のほぼ全域を制覇し、関ヶ原の戦いで西軍の総大将を務めた毛利輝元を孫にもつ戦国武将です。安芸高田市は毛利元就の生地であり、居城であった郡山城があった地。

歴史的な要素が詰まっているところを石丸氏は安芸高田市の魅力として挙げました。

神楽は各地に伝わる伝統芸能で、巫女舞や獅子舞も神楽の1つです。安芸高田市の神楽は「新舞」と呼ばれ、太平洋戦争後GHQの統制下で神道や神楽が禁止されるなか、どうにかして続けようとして生み出された神楽です。

禁止が解除された後も、子どもにもわかりやすい演劇的な部分が受け入れられ、今も安芸高田市で広く愛されています。

サンフレッチェ広島は地元のJ1チームです。ホームタウンは広島市ですが練習場は安芸高田市にあり、ユースチームが寮生活をしながら高校に通って練習しており、安芸高田市はサンフレッチェ広島を支える街となっています。

石丸氏「これが我々の推しであり、誇りですね」

魅力的なコンテンツを有する安芸高田市ですが、これらの知名度を上げ人を集めるのは難しく、他の自治体でも苦労している部分でもあります。

そのことを指摘すると「だからこそ違うルートで認知度を上げる、という風に考えている」と石丸氏。

議会やメディアとの対立で注目を集め、結果的に安芸高田市の魅力を知ってもらうということが石丸氏の生き残り戦略のようです。

動画本編はこちら!

市議会との対立の先に石丸市長が目指したものとは?

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